![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/167362669/rectangle_large_type_2_97e2e5833967e634e021a2abcec9019e.png?width=1200)
水鉄砲の名手に会いに行く: ニフレルで過ごした2時間の記録 (元教授、定年退職271日目)
一昨日の夕方、吹田市エキスポシティにある「生きているミュージアム(水族館) ニフレル」を、外出から帰宅した奥様と訪れました(前回の note 参照)。2022 年に日本で初めて「テッポウウオ」の繁殖に成功し、現在展示をしているとの情報を得たからです。自宅から車で 15 分ほどで到着し、クリスマスシーズンの混雑を懸念しながら急ぎ会場へ向かいました。ニフレルに到着したのは 17 時で、閉館の 19 時まで2時間ありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1735252959-4roKO85NdFRQ90MtwqyeVsZc.png)
ニフレル水族館探訪記
以前に一度訪れたことがありましたが、その時はエキスポシティ自体が初めてで駆け足の訪問でした(今回も閉館間近でしたが)。「ニフレル」という名称は「感性にふれる」というコンセプトに由来しており、「ニフレルでの経験が生きものや自然に対する興味を深めたり、日々の生活での小さな気付きにつながることを願っている」という思いが込められているそうです。会場に入ると、様々なテーマに分かれており、各テーマの “感性にふれる” ことができました。展示は「いろ」「わざ」「およぎ」「かくれる」など8つのテーマで構成されており、今回の主目的は「わざ」のテッポウウオでした。
最初の「いろ」のコーナーでは、赤いガラスのようなアカエビ、毒を持つ鮮やかな黄色のキイロサンゴハゼ、映画で有名なカクレクマノミなどを見学しました。続いて「わざ」のコーナーでは、オジサン、ヨツメウオ、ハリセンボン、極彩色の強力な攻撃力を持つモンハナシャコ(前々回 note 参照)などを観察しました。そして、メインのテッポウウオ展示にたどり着きました(実は手前に、テッポウウオの子供用の水槽があったようですが、見落としていました)。(下写真もどうぞ)
![](https://assets.st-note.com/img/1735252979-adJUOS6CmMkVixI0WorDT37B.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1735253922-nW5fsQEhjAlSK1CoZH49DtkM.png?width=1200)
手に感じるテッポウウオの威力!ニフレルのユニークな展示
テッポウウオの水槽は一段と大きな水槽で、特徴的な棒が何本も立っており、数十匹も泳いでいました。夕方だったのでデモンストレーションは終わっていたようですが、通常はキュレーター(飼育員)がこれらの棒に餌をつけ、テッポウウオが水鉄砲のように口から水を発射して捕食する様子を観察できます(ニフレルのYouTube動画もあります)。その射程は 1.5〜2メートルで、時には天井まで届くこともあるそうです(子どもの YouTube 動画(注1下)もありましたが、射程距離は 10〜20 センチで可愛らしいものでした)。(下写真もどうぞ)
![](https://assets.st-note.com/img/1735254070-dEeZtU65VziBHu2xsrKMYcQA.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1735254418-6q5zBJiCwsO4oP8XWpKTfdk7.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1735253944-XZlT2CsnPDd9KVYtqHvr6UEo.png)
実際、奥様が下写真のように水槽に手をかざしてみると(キュレーターに見つかったら叱られるかもしれませんが)、バチッと大きな音がしてテッポウウオに狙撃されました。かなりの衝撃だったようで、結構痛かったとのこと。私も手をかざしましたが、私の手は餌として認識されなかったようで、水しぶきはかかったもののなぜか狙われることはありませんでした(笑)。とても楽しく興味深い展示で、急いで来た甲斐がありました。
![](https://assets.st-note.com/img/1735252621-ANn8iELfxGz1ODV4peUy9d2Q.png?width=1200)
放し飼いの生きものたちと過ごすひととき
その後、「かくれる」のコーナーで奥様の好きなカメレオンを観察した後、アメリカビーバー、カピバラ、ペンギンなどの展示を巡りました。特に特徴的だったのは、クジャクやキツネザルが放し飼いされている点です。グループデートと思われる中学生たちが、間近で見られる動物たちにキャッキャッとはしゃいでいて、初々しく微笑ましかったです(遠い目)。
閉館間際には、NIFREL x NIFREL ショップに立ち寄りました。テッポウウオをモチーフにした T シャツやバッグなど様々なグッズが並ぶ中、ハンドタオルとメモ帳を購入しました。19 時には自宅に戻り、充実した2時間の見学を終えました。
![](https://assets.st-note.com/img/1735252601-YqcJSOx6phIWZonRNaftT4E0.png)
繁殖成功の意義と展望
今回の訪問で、映像や文献では得られない貴重な観察ができました。特に注目すべきは、ニフレルでの国内初となるテッポウウオの繁殖成功です。プレスリリースによると(注2)、キュレーターの細やかな観察眼により、配管内のわずか1ミリメートルほどの卵が発見されたことが始まりでした。水質管理、給餌方法、照明条件など様々な工夫を重ね、孵化・育成に成功したそうです。また、テッポウウオの生態として、雄が微小な卵を保護する特徴も明らかになったそうです。
テッポウウオの生態や繁殖方法については、まだ未解明の部分も多く残されています。今回の繁殖成功を契機に、テッポウウオの謎がさらに解き明かされていくことが期待さ、ニフレルの果たす役割は今後も重要となるでしょう。
−−−−
注1:「ニフレル」ホームページより
https://www.nifrel.jp/?letrotab=10200
https://www.nifrel.jp/detail/matome/2022/11/post-632.html
注2:「ニフレル、Press Release(2022.9.14)」よりhttps://www.kaiyukan.com/press/220914_nifrel_teppouuo_baby.pdf