見出し画像

元教授、夏になりアロハシャツを着る(その1): 定年退職110日目

関西もほぼ梅雨が明け、いよいよ本格的に夏の到来です。皆さんは、夏といえば何を思い浮かべるでしょうか? 私にとっては、それはアロハシャツです(唐突で恐縮ですが)。梅雨前の衣替えの際、長袖の服をしまうと同時に、愛用のアロハシャツを全てクローゼットに出しておきました。いつでも袖を通せるよう準備万端、そろそろ良い季節がやってきました。


私がアロハシャツに魅了されたのは、今から約20年前、ハワイで開催された国際学会がきっかけでした。それはPacifiChem(環太平洋国際化学会議)という、環太平洋諸国の化学者が一堂に会する大規模な学会です。この学会は、化学のほぼ全ての分野を網羅しており、普段触れる機会の少ない様々な講演を視聴することができるので非常に有意義でした。5年ごとに開催され、幸運なことに毎回招待を受け、参加する機会に恵まれていました。3年前にも開催予定でしたが、コロナ禍の影響でオンライン開催となり、大変残念な思い(アロハシャツ・・・)をしました。

PacifiChem(2015年)の予稿集表紙


初回の時は、マウイ島で別の学会が直前に開催されていたため、合わせて10日ほどのハワイ滞在となりました。しかし、日本からの渡航時期が悪く(ホノルルマラソンと重なってしまいました)、直通便を予約できませんでした。選択肢は、サンフランシスコ経由でハワイへ向かうか、島は異なりますがハワイ島に一度降り立ち半日待つかの2択でした。やむを得ず後者を選びましたが、当時のハワイ島の空港には何もなく、とんでもなく暇を持て余しました(講演の原稿作成には好都合でしたが)。


ハワイではアロハシャツが正装とされており、学会の講演でもアロハシャツを着用する方が、特にアメリカ人の先生方に多く見られました。しかし、その姿が素晴らしく格好良かったのです。元々アメリカ人の先生はポロシャツやTシャツに短パンでの発表は日常的なので驚きはしませんでしたが、大先生のアロハシャツ姿は肩の力が抜けた印象で非常に魅力的でした。興味深いことに、そういった先生ほど、懇親会ではスーツにネクタイの正装で現れたりします(彼らのドレスコードは、今でもよくわかりません)。


そこで私もアロハを買いに行きました。マウイでの発表はワイシャツで行いましたが、ホノルルでの発表ではアロハシャツに着替えました。すると、海外の先生から「日本人では珍しいね」と褒められ、嬉しかったことを覚えています。ただ、アロハシャツを買いに行ったのが最終日に近かったため、その時はホテル周辺の店舗しか見て回れませんでした(明日書きますが、2回目の滞在時は色々と探し回りました)。


アロハシャツの魅力は、その多様な色や柄、そして豊富な素材です。ワイシャツではなかなかそうもいきませんし、短パンにも長ズボンにも合わせやすいです。涼しく快適なだけでなく、着ること自体が楽しく、気分も明るくなります。ハワイではこのように良いことだらけなのですが、当時の日本ではアロハシャツはまだあまり一般的ではなく、ハワイとの違いを実感しました。たとえば、細い道を歩いていると、前から来た中学生が道を譲ったり、お店で注文時に明らかに態度がそっけなかったりと、驚くことが度々ありました。今でこそ、多くの方がアロハシャツを着るようになり、そういったことはなくなりましたが、当時はそのような印象を受けました。


その時に購入した3着のアロハシャツは、今でも大切に愛用しています。1着はホテルで購入した「Yukata」という名前のアロハシャツで、浴衣地で?作られたものでした(タイトル写真)。他の2着は(下写真)、ホテル近くのアラモアナにあった大型ショッピングモールで購入したものです。

アラモアナショッピングモールで購入したアロハシャツ


次回は、5年後のホノルルでのアロハシャツ探しの旅についてお話しします。




いいなと思ったら応援しよう!