命は引き算、喜びや感謝は足し算

ジャムおじさん役（元声優）の「増岡弘」さんが
亡くなっていたことを最近知った。

息子の通う幼稚園の文集用の文章に何を書くか悩んでいた、今年1月。
ちょうどラジオで増岡弘さんが

「命は引き算、喜びや感謝は足し算」

とおっしゃっていて、その言葉に大変感銘を受け
アンパンマンが大好きな息子に、文集に入れる言葉として贈ったばかりだった。

すっかりコロナでドタバタしていて
息子が通う幼稚園の文集を読んでいなかった。

個人的に、増岡弘さんからいただいた言葉を忘れないように
当時文集用に、息子向けに書いた文章を記載しておこうと思う。

増岡弘さんのご冥福をお祈りいたします。

ーーーーーー　※ところどころ数字を変えたり、文字を消しています。

いまこれを読んでる●●は何歳かな？
パパ、ママ、●●が笑ってるといいな。

パパがこれを書いている
今日は2020年1月13日の月曜日。
君が生まれてから1,455日目。
●●は3歳7ヶ月。

今日は曇りで、
ぼくは明日までに、
横で飛行機をふりまわす君への
この手紙を書ききらないといけない。

明日までもう4時間をきっているけど、
きっと大丈夫。

ぼくもママもこのこの1640日間、
君のことばかり考えてきた。
だから書くのにそう時間はかからないと思う。

この手紙で言いたいことは、たった２つ。

1つ目は
ぼくとママは、
●●がいる人生を選んだということ。

２つ目は
世界は広く、人は小さいということ。

少し難しい言葉も出てくるけど
読んでみてほしい。

まず１つ目。
先週ラジオで、
●●が愛してやまない
アンパンマンの
ジャムおじさん役（元声優）の「増岡弘」さんが、いいことを言っていた。

「命は引き算、喜びや感謝は足し算」だと。

これは
例えば目が悪くなるとか、体力がなくなるとか
どんどん色んなものが引かれてくるのが命で、
反対に
生きてく中で得た
感動とか喜びとか感謝は
その人の人生に足されていく、
積み重なってくものという意味だと思う。

僕もその通りだと思う。

命は減っていくもの。
喜びや感謝は足されていくもの。

例えば
パパは髪の毛や健康な歯は減ってきたし、
ママも若い時ほどの体力はない。

でも生まれてからきょうまで
沢山の感動や喜びがあって
それらは僕たちの人生の大切な宝物になっていて
生まれた時にはなかったものだ。

大事なのはこの減っていく命で
何を積み重ね、何を残すかだと思う。

子供を産むということは
その最たるものだと思う。

1600と25日前。
君が生まれた時、●●家は大変だった。
ママと●●は出産後すぐに、集中治療室に入ってしまった。

ママは文字通り生きるか死ぬかの状態で頑張り、パパは毎日仕事が終わった深夜
病院に行き、●●にミルクをあげる毎日で、時にはそのまま会社に泊まることもあった。

あの時は本当に大変だった。

でもパパは君が生まれるために、
パパとママがこんなに苦労をしたという話をしたわけじゃない。

そんな大変なことも乗り越えられる大きな喜びや幸せを
●●が生まれたその日に
パパとママが得られたということが言いたい。

人生はきっと
毎日引き算されていく命を通して
何を得て、何を残していくかが大事だと思う。

パパとママは
●●がいる人生を選んだ。

そして●●が生まれたことで
パパとママの人生は本当に素晴らしいものになったよ。

ママも何度人生をやり直しても
●●を生むことを選び続ける。

●●をみるパパとママの顔は
本当に幸せそうだっただろ？

そのことを覚えておいてほしい。

そして君にもいつか、
自分の命を託したくなるくらい大事な人ができることを心から祈ってる。

減っていく命より
もっともっと大きな何かを得ていく、
そんな人生を過ごしてほしい。
パパとママが●●を得たように。

二つ目は
世界は広く、人はちっぽけだということ。

●●にもこれから沢山のイヤなことがあるかもしれない。

人より何かができないとき。
どうしても好きになれないヒトが出てきた時。
思うように何かができない時。
それが人に話せないとき。

そんな時、まるで
それが世界のすべてにみえてしまうかもしれない。

パパも何度もあった。

でも少し待ってほしい。

例えば高いところにいって
街を見下ろして見てみてほしい。
家から出て、
上を向いて空を見上げてほしい。

世界は本当に広くて、ヒトは本当にちっぽけだなーと思わない？

このひろーい世界中に
たくさんある
●●が好きなこと、興味があることを●●の人生に
詰め込んでいったらそれだけで●●の人生は
いっぱいになってしまう。

そうすると嫌いな人やことなんて、
詰め込むスペースなんて残らない。

いやなことがあったとき、
それが世界のすべてだと思わず、
その先に広がる素晴らしい世界を想像し、
その先にこそ自分の人生があることを信じてほしい。

君には、君の人生を幸せにする責任があるんだよ。

●●を世界で一番好きな
パパとママより。