「夢と魔法」の解読
「モンスターズ・ユニバーシティ」は"夢は願っても叶わない"というお話です。
怖がらせ屋になりたいマイクは、容姿が可愛いせいで最後まで夢は叶いませんでした。
このテーマをより深く掘り下げたのが「ソウフルフ・ワールド」です。
ジャズピアニストを夢見る中年男性は、大きなチャンスを前に死んでしまい、死後の世界で"生まれたくない魂"と出逢う物語です。彼もまた、夢が叶わずに終わります。
夢が叶う人生が尊いのなら、叶わなかった人生はそれに劣るのか。
そんなはずない。生きてるだけで尊いはず。歩んできた道のり、生きてるこの瞬間こそなにより尊いのだと、ピクサー・アニメーションは作品を通して教えてくれます。
"夢と魔法"を自称するディズニーの一部であるピクサーが"夢は叶わない"という物語を作っているのは妙ですが、ここで指してる夢とは"人生の目標"を意味しています。人生に目標なんてなくても(あるいは目標にとどかなくったって)いいじゃん。ってことだと思います。
ではディズニーが唱える夢とは何か。
それはイマジネーションでしょう。
ネズミが二足歩行で歩く世界があるかも
オモチャが生きてる世界があるかも
そんな空想を夢と言ってるのだと思います。
しかし、空想しているだけでは頭の中で終わってしまいます。形になりません。それを具現化する技術、即ちアニメーションが必要です。夢を叶える技術こそ魔法なのです。
それをまさに示しているのが「ファンタジア」でミッキーがホウキに魔法をかけて動きだすシーンだと思います。
アニメーションの語源はラテン語のアニマ(生命を吹き込む)からきています。ミッキーがホウキに魔法をかけるこのシーンは、まさにアニマそのものです。魔法=アニメーションです。
ディズニーのいう"夢と魔法"は"想像と創造"と言い換えることができるかもしれません。
人の心は想像をする時、自由です。何ものにも縛られることはない。
多くの人がディズニーに惹かれるのは自由への渇望なのでしょう。
他方で想像はディズニーだけの特権ではありません。全ての人がこの世界に空想を広げ、自由な心を持てたら素敵だよなぁ
人間よ、夢と魔法の人であれ!(どーん)
昨年はそんなことを考えてましたとさ。
皆様、新年開けましておめでとうございます。
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