「誰に向けての偽物なのか」2024年2月19日から2024年2月25日
昨年の9月にロードバイク買い、「ロードバイクの文化」というものを徐々に知るようになった。
「SPECIALIZED」(スペシャライズド)というロードバイクのブランドがある。数あるロードバイクのブランドの中でも、トップクラスに人気がある。おれも乗ってみたいけど、なかなかに高価で手が出ない(手ごろなエントリーモデルもあるけど、やっぱりいいお値段)。あこがれだ。

ロードバイクを買ってからというもの、街を行く自転車を見るようになってしまった。ロードバイクやマウンテンバイク、グラベルバイク(そういう種類の自転車がある)はもちろん、普通のママチャリや子どもが乗っているようなだいぶ安価なスポーツ自転車も見てしまう。
そこで、気づいてしまったことがある。子ども向けの安価なスポーツ自転車で「SPECIALIZED」と同じ字体で「SP」から始まる単語が書かれているやつがけっこうあるのだ。
つまり、一瞬だけ「SPECIALIZEDか?」と思うように設計されている。SPECIALIZEDの偽物ぽい感じなのだ。adidasに対してのajidasu、NIKEに対してのNIKKEみたいな。
しかし、SPECIALIZEDがあこがれのブランドなのは、ロードバイクに乗っているような人間だけだろう。一般の人はSPECIALIZEDなんて知らない。
じゃあ、このSPECIALIZEDもどきは、いったい誰に向けての偽物なんだろう?
考えてみたのだが、デザイナーが(自転車好き)が、なんとなくカッコいい文字を入れようとして考えた結果「カッコいいといえばSPECIALIZEDなので、ついついSPECIALIZEDぽくなってしまった」というのがありそうな気がする。
乗っている本人は知らない、SPECIALIZEDはカッコいいあこがれのブランドだということを……。そしてその偽物に乗っているこということを……。
2024年2月19日
ここから先は
サポートしていただけたら妻においしい果物を買ってきます。