2022年2月8日 焼きそば作るときにかける水くらいの量

妻の日記より

深夜帯は赤ちゃんをナースステーションで預かってもらえる。でも、昨夜布団に入ってから、赤ちゃんと離れた事に突然不安を覚えて、迎えに行ったほうがいいんじゃないかと考え始めた。

赤ちゃんに授乳している時の感覚が体に蘇って、でも赤ちゃんはここにいなくて、居ても立っても居られないようなモゾモゾした気分だった。

生物としての本能が現れたのだろうか。もちろん迎えには行かずに有り難く寝たけれど、実際迎えに行っちゃう人とかもいるのかな。

朝起きると胸が痛かった。触ってみると、胸全体がパンパンに張って固くなっている。授乳の前は必ず乳首のマッサージをするように言われているのでいつも通りにやっていると、黄色い母乳が滲んできた。

助産師さんに話すと、刺激してどんどん出すとよく出るようになって、赤ちゃんも飲みやすくなるとのこと。

助産師さんに「ちょっとやってみてもいいですか?」と言われ、恐る恐るお願いしたのだが、想像した通り、かなり過激なパワーで乳首を押しつぶされた。

「おっぱいよく出てます!いい感じなので搾乳して飲ませましょう!」そう言って空の哺乳瓶を私の乳首の下に当て、助産師さんがまた乳首を押し潰す。

「ウー!痛い!痛い!」
「痛いですよね。でも3分頑張りましょう!」
「さ、3分これを!?」

嫌すぎて気が遠くなるが、これも赤ちゃんのためなのだ。なんでも、出始めの母乳には免疫やら栄養やらが沢山含まれているらしい。私の赤ちゃんは2390gで産まれ、その後の生理的体重減少(産まれたばかりの赤ちゃんはむくんでいるために数日間は体重が減る)でさらに軽くなってしまっている。

ミルクはあげれば全部飲むのだが、飲んだ直後に吐いてしまうことも多い。栄養の多い母乳を飲ませてあげられるのなら、飲ませてあげたい。

歯を食いしばり、何度も壁を殴りそうになりながら、搾乳に耐えた。終わったあと息切れした。

でも、搾ってもらった後は胸の張りが少し引いて、楽になる。母乳はなんと、10mlもとれた。

赤ちゃんにそれをあげたら、なんか違うな……みたいな顔をしながらもちゃんと全部飲んで、その後すぐ吐いた。

ガーン。まあ、これ飲む前にミルクも飲んだからね……。服が汚れたので着替えさせ、布団をかけようとした所で、また吐いたので驚く。

再び着替えさせるとその直後、吐いた。都合、3回。嘘だろ。

さすがに心配になり、ナースコールをする。特に問題ないとの事だったが、焼きそば作るときにかける水くらいの量のミルク飲んで、3回吐いたらもうゼロにならない?

いつもなら授乳の後はすやすやと眠るのだが、今日はそのせいかなかなか眠らず、3時間後の授乳までグズグズし続けた。

よく聞く「背中スイッチ」というのも体験した。抱っこの時に使いすぎてしまい、手首がとても痛い。顔を真下に向けて赤ちゃんの方を見るせいで、首も痛い。

昨夜ホームシックになってあまり眠れなかった事、傷の痛みに胸の痛みも重なって、疲れきってしまった。22時の授乳を終え、ナースステーションに預けた時には、もう寝ていいんだ……と本当にほっとした。

これが自宅だったら深夜帯もお世話は続く訳で、こりゃ一人でやってたら体も心も病んでしまう。幸い、夫が3ヶ月間育休を取ってくれることになっているので、とりあえず3ヶ月はやれると思うけれど、その先が本番だ。

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斎藤充博
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