水野ダイアリー　５月１日〜３１日

【水野ダイアリーとは】
水野がデイリーに書いた手記を1ヶ月分まとめて公開しているものです。

水野ダイアリー｜水野しず｜note

５月１日　「海外」
５月２日　「巨大迷路」
５月３日　「テレビが好きで」
５月４日　「アンダーを見た」
５月６日　「マジレス公」
５月７日　「二択」
５月８日　「国会議員＞芦田愛菜」
５月９日　「透明感」
５月１０日　「気持ちなんだよ」
５月１１日　「水星逆行」
５月１２日　「蚊柱」
５月１３日　「厄年疑惑」
５月１４日　「無料にもタイミングがある」
５月１５日　「ギフティング」
５月１６日　「流石に」
５月１７日　「ヤバ王」
５月１８日　「タイルっぽ空間」
５月１９日　「池上ナイズド良心」
５月２０日　「極貧」
５月２１日　「見放題リバー」
５月２２日　「お金持ってるだけなのに」
５月２３日　「浴び放題 ＞ 巨匠」
５月２４日　「推理をやっている感」
５月２５日　「嘘のターン」
５月２６日　「良心」
５月２７日　「インターネット方丈記」
５月２８日　「ごらん」
５月２９日　「※ない」
５月３０日　「所がいた」
５月３１日　「アイボ感」

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５月１日　「海外」
　
　インスタグラムを見ていたら、広告で「海外の美大に進学してクリエイティビティーのドアを開いてみませんか♪」と出てきた。海外の美大。いかにもヤバい響きだ。５文字しかないのに『はだしのゲン』くらいの勢いがある。まず「海外」って言い方がかなり危ない。昔仕事でスウェーデンに行った時に、一緒に飛行機に乗ったモデルの方に「海外に対して強い憧れがある」と言われて、すごいな……と思った記憶がある。今からスウェーデンに行くというのに「海外」に憧れている場合か。もう税関を通っているんだから、海外に憧れなくていいだろ。というか「海外」ってなんだよ。島国独特の感性。スウェーデンに着いたら、意外にも、古い時計台や伝統的な焼き菓子を売る工房など、魔女の宅急便のモデルになった街並みが一面に広がっていて想像以上に露骨な「海外」だった。同行者は「海外だー」と言いながら海外の写真をたくさん撮っていて、よかった。そういう人が「海外の美大」に行ってしまったらと思うと心が痛むので、このような心無い、非人道的広告はどうかBANして欲しいと切に願っている。

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５月２日　「巨大迷路」

　思い立って調べたら、昔インターネットで伝説になった、元モーニング娘。飯田圭織さん妊娠・結婚発表の翌日に開催されたバスツアーで参加者が人生という迷宮に迷い込んだことで著名な巨大迷路は、２０２0年に閉園していたらしい。むしろ、よく持った方だと思う。人間がスマホを持っているのが当たり前の時代になると、迷路が等身大になったくらいで何が面白かったのか思い出せない。自分が子供の頃に参加した巨大迷路は、猛烈に面白かった。無我夢中になってゴールを探し回った。なんでだよ。当時はスマホがないのをいいことに、エンターテイメントが大体ショボかった。巨大迷路の近くにあった「宝石探し」も、砂場に埋まっている宝石を探して見つけたら終了という感じであった。別に貰えるとかではない。探したんだから。欲しい場合は別途購入をしてください。あと学校行事で行ったレクリエーションセンターのラインナップに「タイヤ」があったのもかなり釈然としなかった。タイヤって。それはもうゴミだろう。夜店のエンターテイメントに「千本引き」という紐を引くだけのゲームがあったのもどうかと思っていた。引いた紐に繋がっている商品が貰えるのだが、ヤクザがやっているから商品は大体しょぼい。それでも当時はガチャとかはないので、子供は大喜びで引いていた。こう考えてみると、パチンコって基本的な仕組みは昔から変わってないから、エンターテイメントが全体的にショボかった時代のパチンコ依存症の人って破滅が全然気にならないくらい破茶滅茶に楽しかったんだろうなとか思った。

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５月３日　「テレビが好きで」

　具体的にどれが、とかではなく「映画が好きで」「ラジオが好きで」「雑誌が好きで」などのジャンル好きを名乗る行為って、新しいメディアが発達してそのメディア自体が懐古的な質感を帯びてくると行われるようになるっぽいので、そろそろ「とにかくテレビが好きで」という人が現れてくるんじゃあないだろうか。
　テレビ好きの人は「その時間にならないと見れないところがいいんですよ」「出てる人がわざわざ“芸能人”って名乗っているところが特別感ありますよね」「CMによって中断されることで、逆に続きが気になったりするんですよ！」「インフルエンサーと違って、企業案件のステマが露骨でほっこりしちゃいますね」「朝とかずっと時間が表示されてるから、意外にも便利なんですよ」「全く興味ないものを見る機会って、テレビでも付けないとそうないじゃないですか」などの積極的なテレビ擁護をしてくれると思う。擁護って楽しいから。

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５月４日　「アンダーを見た」