クラウンエースは死なない
正直、驚いた。この目で閉店を確認するつもりで、
お店の場所へ向かったのだ。
?!!
看板は光り、店から明かりが放たれているではないか!!
近寄ってみると、
華麗に復活している。既に、都による点検済みのようだ。
クラウンエースは老舗のカレー店。
以前は、カツカレーが500円だった。
トッピングのないものになると400円台。
店の雰囲気や出されるカレーの味、皿、ルーの色味などからして、仕込みが徹底されているカレー。
当然、入ってみた。カツカレーは570円になっていた。
全く問題ない。むしろ、まだ安い。
値上げして構わないから店を続けてほしいと思っていた。
食券を買うスタイルは変えていないが、以前は立ち食い蕎麦風に全てセルフサービスだったものを、水以外、全てシェフが運ぶかたちになった。それと、座る席も、お店のほうから指示される。たしかに、感染対策を徹底している感じがした。
配膳されたカツカレーを見ると、以前の“カツレツ“ではなかった。長方形の、普通のパン粉のついた、軽いキツネ色の、加工感のあるカツだった。
以前は、形がいびつで、パン粉が細かく、茶色くしっかり揚げられたカツだった。
いや、それでも構わない。ルーは変わっていない。
あのカツレツが食べられないのは少しだけ残念だが、
店があって、ルーが変わらないならいい。
自由に取っていい福神漬とラッキョウも、変わらない。
「ご馳走様でした。」
また、来れてよかった気持ちを込めて、
短めに言って出てきた。
良かった....本当に良かった...。