平均値の定理の高校での扱いについて
これも前から気になっている、平均値の定理の、高校での扱いについてです。
高校数学のネタです。数学が苦手とおっしゃるかたには申し訳ございません。興味をお持ちくださるかたはご覧くださいませ。また、TeXは使えないと思いますので、式が見づらいというのもご容赦ください(使えるのかも知りませんけど、使い方がわかりません)。
いまの学習指導要領を知りませんが、平均値の定理は、理系しか習わないかもしれません。
実数の関数f(x)が、実数aからbまでのあいだで、微分可能だとします。このとき
(f(b)-f(a))/(b-a)=f’(c) となるような実数cが、a<c<bの範囲で、存在する。
と主張するものです。
これの、まず教科書に載っている応用例が、気になるのです。
多くの教科書は、つぎのような例を挙げています。
問題 0<a<bのとき、以下の不等式を証明せよ。
log b-log a<(b-a)/a
もちろん、平均値の定理を使わせて、この場合、f(x)=log xとして、f’(x)=1/xであることを用いて、証明させるわけですけれども。
そのさい、a<c<bを使わせるわけですが、これは、あくまで、「aとbのあいだに、そうなるcが存在する」ということしか言っていません。aより小さいところ、あるいは、bより大きいところに、そうなるcが存在するという可能性もあります。
じゃあ、この証明は、成立しないのじゃないの?と、いつも思いながら、教師の時代は、やっていました。
これ、要するに、logという関数が、常に上に凸だから、成り立っているようなものであって、いかがなものかと思うのですが、みなさん何とも思わないのでしょうかね。
こんな感じで、小学校の算数の教科書でも、中学校の数学の教科書でも、突っ込みどころはたくさんあるんですけどね。
ここまでお読みくださり、(いっしょに考えてくださり、)ありがとうございました。