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スマホの写真整理をして気づいた子どもへの想い
子どもの人生は大人のものじゃない。
そんなこと、わかっていたつもりだったけれど、
意識の底では理解できていませんでした。
自分はちゃんと意識していたと思っていたはずなのに。
今回は、自分でも意識していなかったことに直面し、
その事実に面食らった一週間の報告です。
★★★
急に、スマホの中のアルバムを整理しようと思い立った。
普段、写真は撮りっぱなしだから、容量がパンクしそうになっていた。
私のスマホの中には、子どもの画像はもちろん、動画データもある。さらには学校からもらってきたプリントなども入っている。スマホの画像なら、紙をそのまま保管する必要がない。確認もしやすくて便利だ。ついついキャパオーバーになっていた。
整理する作業は面倒くさいけれど、いざ始めるとのめりこんでしまう。しかし、それが厄介だった。アルバム整理や写真整理って、やり始めると寄り道してしまって、懐かしい画像につい浸ってしまうのだ。今回もやっぱりそうだった。
子どもたちが寝静まった静かな夜。
スマホの画像に目が離せなくなっていた。
★★★
子ども自身が「黒歴史」と言っていた画像にふと目がとまる。
2歳当時の長男は、お姉ちゃんのフリフリの水着を着たがった。その様子に「この子はもしかしてこちらに興味があるのかしら?」とドキドキしながらスマホで撮影したのは約10年前のこと。息子はカメラを向ける私にポーズをとってくれた。もうすぐ中学生になろうとする長男だけど、今でも当時のことをうっすらと覚えているという。
「茶色の小瓶」の曲に合わせて踊りながら着替えている低学年時代の長男の動画。
トイレの便座に前屈するような形で座り、上から自分でトイレのふたをしていた姿をさらした次女。それに私は「トイレのカメ様」と命名した。
本人たちの名誉?のために画像は公表しないけれど、見ているだけで懐かしさや、貴重な時間を与えてくれた子どもたちへの愛おしさがあふれてきた。
こんな画像もまたもう少し時間が経ったら、本人たちもまた違った感情で見返すかもしれない。
私自身の結婚式の打ち合わせの時、お互いが知らなかった幼少期の写真を見て胸がきゅんとした。そんな感覚を、我が子が誰かと今後共有する可能性はあるだろう。その時に役に立つのかな、などと遠い未来も想像してみる。
★★★
実は、最近LINEアカウントを手に入れた長男。
私は長男の写真や動画を、LINEのアルバムに送ることにした。
まだ長男は親が撮影した自分の写真を見て喜ぶはず。
長男はもうすでに寝ている。
気づいたらびっくりするんだろうな。
私は、スマホ内の不要な画像を削除しながら、
息子のLINEアルバムに写真を追加していった。
★★★
小さなスマホの画面の画像を見ながら、気づいたことがあった。
息子を撮影しているけれど、本人に見せたことがない画像が意外とあったのである。本人の反応を確認していない画像、つまり本人は撮影されていると思ってもいないシーンでの写真だ。
マラソン大会でゴールした時の様子。
友達と、わざとひっくり返った(上に水がたまるような状態にした)傘をさして下校する姿。
まさかここで写真を撮っていたなんて、と子どもが思うような場面の写真が意外とあったのである。
自分の子どもの記録だからいいかもしれないけれど、子どもが嫌がったら盗撮と変わらないんじゃないか、なんて気がしてきた。
★★★
翌日、学校から帰って一息ついたところで息子に自分の写真の感想を聞くことができた。不快に思われたらどうしよう、と思ったものの、息子は前日の私の仕事に特に不満はなかったようだった。懐かしそうに自分の若いころの姿に見入っていた。
自分が撮られているとは思ってもいなかった場面の、初めて見た自分の写真についても、特に感動も嫌悪感もなく受け止めたようだった。もしかしたら、親が撮影したことはあまり意識していなくて、どこかのカメラ屋さんに撮ってもらったような、そんな気持ちだったのかもしれない。
小学校高学年時代の自分は、親にこっそり撮影されてちょっと嫌な気持ちになっていた気がする。実際、現在中学3年生の長女は家族にカメラを向けられることを嫌がる。勝手に撮るな!という感じだ。実は私も中学生の時、そうだった。
親になった今、自分の子どもだから、自分が思うままに撮影してきた。でも、子どもが撮影されることを嫌がるようになった場合、それでも親だからと言って撮影していくと、だんだん怪しい人になってしまうのかもしれない。
まあ、親がカメラを向けたときに、嫌がらずにいてくれれば問題にはならないのだろうけれど。
そんなことを考えてしまったのだった。
★★★
子どもが写真に収まることを嫌がったら、撮影をあきらめるのが一番なんだろう。実際そうしてきたこともある。
とはいえ、子どもの写真はやはり撮影したい。嫌がられたら、隠し撮りしてしまうんだろうな(中学生の長女はほとんど隠し撮りだ)。
それでも、「子どもの人生は大人のものじゃないんだよ」と肝に銘じてカメラを構えることにします。
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