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68.糖尿病と血管の老化スピード(1)


糖尿病になり高血糖状態が続くと血液をドロドロにして全身の細胞に栄養や酸素が届きにくくなり、全身の細胞が本来の働きが出来なくなるので網膜症、腎症、神経障害の3大合併症の他、皮膚病や感染症など様々な合併症が糖尿病発症から10年くらい経つと出てきます。
また、血管を傷つけるためアテローム(血管内壁にできる瘤)ができ動脈硬化が進行するので、高血圧になったり、心筋梗塞や脳梗塞など命を左右することもあります。
 
その血管についてですが、血管の「老化」が糖尿病の引き金?という今まで耳にしてこなかったことも明らかになりました。 「糖尿病になったら血管の老化が早まる」というのは分かっていましたが、これが本当だとすると糖尿病と血管の老化は相乗して悪化することになります。
このことは、神戸薬科大学の池田宏二准教授などの研究チームがヒトの細胞やマウスの実験で突き止めたもので、老いた血管細胞から出る物質によって全身の脂肪細胞が早く老化し、血糖値を調節するインスリン働かなくなったそうです。 
 
 
その一部の結果ですが、脳科学者の川島隆太氏が紹介している記事によると、米国ニューヨーク州立大学の研究ですが糖尿病のある人は、糖尿病でない同年齢の人を比べると、脳の老化が26%早い
 
脳の老化とは、記憶の機能を持っている脳の海馬や頭頂葉の細胞が萎縮して発症し、主な症状としては、もの忘れ、同じ言動を繰り返す、人やものの名前を忘れる・間違える、現在の年月日・時間・いる場所がわからなくなる、妄想、徘徊などがあり、最初は軽い忘れから始まり、進行していきます。
 
さらに、血糖値が高い状態が続いたうえに老化の影響が加わると、「作業記憶」「学習能力」「柔軟な思考」などの実行機能は13.1%、脳の「処理速度」は6.7%低下する とあります。
 
「作業記憶」とは、例えば漢字を書くとき長期記憶から検索し、取出し、書く作業をするという一時的に取り出す作業のこと、学習能力」は学習によって新たな神経回路が形成され、「記憶」としてそれが定着すること、「柔軟な思考」とはある問題解決するとき色々な角度から思考することで、これらの脳力が26%も早く低下してしまうのです。(続く)
 

脳力低下は避けたいですね。糖尿病と決別しませんか!

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