12月11日
僕は蟻を踏み潰すような人間だった。忘れてた。袖にアリが付いていたから、払い除けたら、別れた人に可哀想だよと言われた。
こんな人間から離れるのは当然だ。
自分のことを何も見えていない。
自分はゴミだった。弱いものをいじめる弱い人間だ。
外に出てはいけない。何もしてはいけない。まともになりたい。まともな人になりたいが、まともになりたいと書いている時点でそれは程遠いと思う。
一生なれない気もする。怖い。自分が怖い。殴られて生きてきた。だれかを殴るかもしれない。弱い人の前では強がれる。だからもう黙れ。何も話さずに黙っていなさい。
誰も見ていないところで、蟻を踏み潰す。
ベトナム人のルーさん、思いっきりゴキブリを踏んでた。
自分は綺麗に生きれない。綺麗じゃない、全く綺麗じゃない。いい人にはなれない。良い人じゃない。自分の幸せを追い求めたい。幸せにいきたい。好きな人に出会い、幸せに暮らしたい。
それだけがいい。長女がそうしたように。
トヨタ社員と結婚したいと言っていた、ねこよけのように。
それを求めて生きると逆に出会えない。そんな気がする。
自分の人生を、自分のやるべきことをしている方が、素敵な人と出会えるきがする。
だから仕事をしている。
そんな気がする。そのくらい一人で生きるのが嫌だ。寂しいし、怖い。
自分の好きなことなんて思いつかない。自分のことがどうでもいいから。
落ち着いてるねと言われることがあるが、感情が死んでいるだけだ。
心から笑った時間を思い出す。ずっと前だった。いまは本当に笑えない。寂しい。笑顔で気前がよく、人に囲まれる人を疎ましく思う。
小さい蟻が地を這う。潰せる。なんかムカつく。でもやってしまえばもう自分はなにか分からんが、もう戻れない気がする。まともになりたい。だからやめる。なにも思わないようにする。
かわいいとも思わない。イラつきもしない。そこにいるってだけだ。そこにいる。そこにいるって思うと、命に目がいく。
命が蠢く。
そこにいる。そこにいるって思うだけでいいんだよ。蟻から教えてもらった。今日。僕はここにいる。
人がいる。そこにいる。明日もここに、あの人がいる。あの人が、あの場所にいる。そこに特別な言葉を装飾する必要はない。
ぼくはこれから、そこにいるもの、目に見えるもの、ただそれだけを記述していく。
何かを伝えようとするわけではない。ただ、残す。残すとかくと意義が見え隠れする。残すのではなく。見えるものを書く。見えるものを書く。見えたものを書く。
普通に生きたい。普通に生きたい。
机の上に蟻が登って来た。少し嬉しいと思っている自分がいる。
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