3月12日
「言葉にしない。音にしない。」
私の頭の中に思い浮かぶ言葉たち。
これまでの私が無意識で口から発していた言葉たち。
それを抑え込む。
言葉にしない。いや、音にしない。身体の外には絶対出さん。出してしまうとその言葉が、音が私になる。
変わるために。過去の自分が発していた音を出すのをやめ、新たな音を口から出す。その作業が自分を変えていく。
午前、最後の掃除。いつもより早く起きて全ての掃除を一人で片付けた。全く苦ではない。むしろ楽しいと感じる。それほどこの場所の朝が、空気が、時間の流れが僕は好きなのだ。
昼はピーマンとしめじのニンニク炒めと卵かけご飯。余った材料で済ませる。ラウンジに差し込む陽の光を浴びながらの食事は格別。
食後、成田さんから借りたdvdを見る。鳥取にある「汽水空港」という古本屋を作った人のドキュメンタリー映画。当時25?6?
とにかく、とんでもない人だ。面白い人。資本主義に疑念を抱き行動にうつしている。
いつの日か会ってみたい。
ラウンジカドにいくと、とある男性がいきなり「僕実はうつ病で〜…」と話かけてきた。仕事が上手くいかない現状を語ってくれたのだが、脈絡のない突然の出来事に一瞬固まる。だがすぐに僕はその人の鬱の状態、自分では脈絡が通っていると思っている状態を察知し、その現象が今ここで起きていることを相手に説明。そしてその状態を脱する方法を一緒に実践した。
外にでて、両手を上げ思いっきり陽を浴びる。深呼吸する。すると相手の男性が「気持ちいいいです」といった。これでいいじゃん。気持ちが固い。固い状態をほぐすこと。まずはそこからのスタートだという事が伝わればいいな。
夜になると、流しのCD屋さんがきた。世界各地の音楽を集め、「流しのCD屋」として10年以上日本各地を転々としている。かなり面白い人だった。音楽や、映画についても教えてくれた。僕はイタリアのサイケロックバンドのCDを購入。
その場に居合わせたお客さんもCDを買っていた。その人と話すと、作品を作っているとの事だったので見せてもらうことになった。それは、丁寧に製本されたフォトブックのようなものだった。あまりの出来の凄さ、製本デザイン等にビビり、学生と言うので学校を聞くと、東京藝術大学の学生と返答がきて、僕と流しのCD屋のおっちゃんは、思いっきり頷いた。「やっぱすげーわ」
流しのCD屋のおっちゃんは、もう販売するのをやめて、その学生と話していた。
僕にはその光景があたたかく感じられた。後から谷沢さんも参加し、最後四人で写真を撮った。
岡山1ヶ月生活最後の夜。最高でした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?