コーポレートガバナンスの教科書と中村一義
今回は、コーポレートガバナンスに関する本を読みました。本が薄く、すぐに読めそうな本かと思いきや、内容を理解するのに少し時間がかかりました。
読んだ本「これならわかるコーポレートガバナンスの教科書」
ざっくりとした内容と感想
この本のテーマであるコーポレートガバナンスとは、著書を引用すると下記のように記載してあります。
コーポレートガバナンスとは、企業をめぐる関係者が企業の舵取りをどうするかを考えることであるといえます。普段舵取りを任されている「経営者」と、その他の関係者である「株主」「債権者」「顧客」「取引先」「従業員」「国・地域社会」との関係者の問題なのですね。
「経営者」が普段舵取りをするにあたっての意思決定や行動について、その他の関係者がそれぞれの利害を守るために「経営者」といろいろなやり取りをしていくことがコーポレートガバナンスです。
著書の中には、コーポレートガバナンスが強化された背景やアベノミクス以降に制定された制度(会社法の改正、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの制定)の紹介をしながら、コーポレートガバナンスの仕組みや機能をわかりやすく解説している本になります。
気づいたこと
正直な話、著書に書いてあるコーポレートガバナンスに関する仕組みや機能などわかりやすく解説してありましたが、自分がその話を自分ゴト化できていないため、ほとんど頭の中に残っていない感じがしています。笑
その中で、読んでいて大事だなと思ったポイントは、「問う力」について。経営に関する本質的な議論をしていく上で、重要な能力として「問う力」だと著者は述べています。経営の本質にあたる部分に的確な問いをもたらすこためには、部分的な視点で経営を見ているだけでは問いは生まれにくくなるので、経営全体を俯瞰し、整理することで問いが生まれてくるんじゃないか。
この「問う力」というのは、経営だけでなく、普段現場で仕事をしている人たちにとっても大事な力になるのではないかと思います。自分の役割からの視点で考えるのではなく、全体像を把握し、整理した上で、自分が持っている役割を知り、業務に活かすだけで違う視点が生まれてくるのではないでしょうか。
ただ、企業が重視する傾向にあるのは、「問題解決力」であり、知見や経験を活かして、努力と根性で片付けるという途中からものすごい精神論に入る力のようです。
おまけ
また、著書の中で出てきた一文だけを引っ張り出して、思い浮かんだアーティストを紹介したいなと思います。「経営者は孤独である」という一文を読み、中村一義さんのことをふと思い出しました。
97年にリリースされた名曲揃いの大名盤「金字塔」は、中村一義さんがセルフプロデュースで作ったソロデビューアルバム。ほとんど全ての楽器を自分で演奏し、「状況が裂いた部屋」という部屋の一室で、宅録をし、ほぼ一人で作り上げた作品。まさに孤独に作ったアルバム。
卓越したメロディーはもちろんのことなにより注目してほしいのは、彼にしか書けないような歌詞。語りかけるような言葉の使い方で、ポジティブとネガティブ両方を持ち合わせながらも最後はポジティブに締める言葉の数々は素晴らしいです。
まだ、大きな無限大が、みんなを待ってる。
闇を抜けると、そこは、優雅な今日だ。
ただの平々凡々な日々に埋まる、
宝を探す僕が、今、ここにいる。
(ここにいる)
その後、中村一義さんは作品をリリースしたのち、彼のもとに人が集まり、中村一義としてバンドでライブ出演、後に100sとして活動し、現在はソロで活動しています。
笑えるように 笑えるように にじり寄んだっ!
それは 絶対 余裕じゃない だから 止めないんだ
青の時代を延々と行くのも また一興だ
成功と失敗 全部が 絶対 無駄じゃない もう 全然すぐれないような日々も
絶対 ウソじゃない 千年後の僕も僕だ
絶対 アセらない 万年前の君も君だ
同じ年にリリースしたシングルの主題歌が名曲です。