許可の条件に関わる人が退職した場合、どうすればよいのか?
退職した際に後任がいるかどうかで決まります
建設業許可を申請する際、経営面の責任者と技術面の責任者を置かなければいけないわけですが、どちらも誰でもなれるというわけではなく、経営経験や実務経験、資格など定められた条件を満たした方でなくてはいけません。
この許可の条件に関わる方が辞めることになった場合、許可業者としてどのように対応しなければいけないのでしょうか?これは後任の方がいるかどうかで決まってきます(もちろん後任の方も許可を取るときと同じ条件を満たした方でなくてはいけません)。
後任がいる場合
この場合は、交代の変更届を出すことになります。変更届を出すことでちゃんと許可は継続していきます。ただ、後任の方が条件を満たしていることをこの届出の際に証明しないといけないのは、許可を取ったときと同じです。証明できない場合は、替わりになれる方がいないと判断されるのも止むをえません。
ただ、一般的には、許可を取って営業していた期間については、許可を取っていなかった期間より、証明にかかる負担が減ることが多いので、条件を満たしているのであれば、新規許可の際よりは手間はかからない傾向にあるでしょう。
後任がいない場合
この場合は、条件を満たせなくなった許可業種を廃業することになります。経営の責任者の後任がいない場合は、すべての許可を廃業します。技術面の責任者については、ある業種については後任がいるが、ある業種は後任がいないという場合は、ある業種については、交代の変更届を提出し、後任がいない業種についてのみ廃業届を出すことになります。
後任がいないのに何も手続きしなかったらどうなるのか?
国土交通大臣や都道府県知事は、経営の責任者や技術面の責任者がいなくなって、条件を満たさなくなった場合は、建設業許可を取り消さなくてはいけないことになっています。
でも、実際のところ許可業者に届け出てもらわないとわからないと思います。国土交通大臣や都道府県知事がハローワークや年金事務所とデータ連携しているわけではないので、言ってもらわないと基本わかりません。届け出がないのにわかるとしたら、やめた方(以下、Aさん)が他の建設業者に勤めて、その建設業者がAさんの経験や資格を使って許可を取るような場合でしょうか。この場合、許可業者間でダブりがないかをチェックするので、届出をしていないと、チェックに引っかかって、届出がでていないことが判明するのです。
このように、やめたからと言って、役所側はわからないので、許可を取り消さなければいけないとなっていても、すぐに許可が取り消されることは現実的にはないでしょうが、やめたことを届出しないでいることは、届出義務を怠っていることになりますので、そのことについて何らかの処分を受けても仕方ないでしょう。
手続きをしていなかった事例
とある県の話ですが、ある業者が届け出義務を行っていたので指示処分を受けていました。
許可条件に関わる人が死亡して、他に条件を満たす人がいなかったにもかかわらず、3年近く営業していたことで、処分を受けました。
でも、これって本来なら廃業届を出すべき案件ですよね?なんか、黙ってたもん勝ちみたいになっていて、ずるいような… こんな事例もありますが、条件を満たしていないなら廃業届を出して、条件を満たしたら取り直す。正直にやっていくことをおすすめします。
また、そもそも廃業届を出すことが無いよう、許可を取ったら、それで終わりではなく、不測の事態があっても許可が維持できるように日頃から備えていきましょ。
許可の維持に関するご相談は齋藤行政書士事務所にお任せください。
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