第E回:鍵盤でコードを押さえる法則「3和音編」
ここらで理屈については一息入れましょう。今回はいわば実践編です。
第C回で英語表記の音名を覚え、第D回でコードの基礎を覚えたはずです。うっすらとでもいいです何度でも読み返せるのだから。
で、実際にコードネームから鍵盤で和音を導き出す、超カンタン!まるで魔法!の法則を、今回はたったの2つだけ伝授します。
コードの構成音を自分で導き出せるのだから鍵盤に限らず全ての楽器奏者に必要な法則です。それではまいりましょう。
・・・の前にひとつだけ。文中で「4個上がる」みたいな表現を使います。
「1個」は半音1個分の事です。でもわざわざ断らなくてもこの言い方は既にみなさん慣れてると思うけどね。ほら、カラオケで「キー1個上げて!」とか「2個下げて!」って言ってるでしょ?あれも「1個」は「半音1個分」です。では本当にまいりましょう!
3-1:法則1「○(○メジャー)」は『4⇒3』
最初にルート音を押さえ、そこから半音4個目の音、さらにそこから3個目の音を押さえる。これでメジャートライアド完成。
例えば「Cメジャーコード」の場合、ルート音は「C(ド)」だから、2番目の音はルート音から4個上がったところの「E(ミ)」、3番目の音は2番目の音から3個上がったところの「G(ソ)」を押さえる。
Cメジャーコードの構成音は下から順に、
1番目:C(ルート音)、2番目:E、3番目:G
となる。順番を把握する事はとても大事です。
ルート音から順に音を縦に積み重ねていくイメージを持ちましょう。
ではひとつ例題です。「Aメジャーコードの構成音は?」
正解は、1番目:A(ルート音)、2番目:C#、3番目:E です。
3-2:法則2「○m(○マイナー)」は『3⇒4』
最初にルート音を押さえ、そこから半音3個目の音、さらにそこから4個目の音を押さえる。これでマイナートライアド完成。
例えば「Cm」の場合、ルート音は「C(ド)」だから、2番目の音はルート音から3個上がったところの「Eb(ミb)」、3番目の音は2番目の音から4個上がったところの「G(ソ)」を押さえる。Cmの構成音は、
1番目:C(ルート音)、2番目:Eb、3番目:G
となる。順番を把握する事はとても大事です。
ルート音から順に音を縦に積み重ねていくイメージを持ちましょう。
ではひとつ例題です。「G#mの構成音は?」
正解は、1番目:G#(ルート音)、2番目:B、3番目:D# です。
以上でトライアド24種類マジ全制覇!おめでとうございます!
3-3:ドミソもミソドもソドミも同じ「転回」
例えば、「C」のコードです。と言われたら上記の法則1で「C, E, G」である事は解りますね?これがそのコードの基本形です。
基本形は決まっているけれど、音が重なる順序がどうであれ「CとEとG」で出来ている3和音であれば、コードネームは「C」です。これはマイナーでも何音重なる和音でも一緒です。これを「転回」と言うんだけど、今は転回させるとワケわかんなくなるので、これは知識としてぼんやり覚えておきましょう。
3-4:練習方法のご提案(というほどの事ではないけど)
効果的な練習方法としては、何でもいいから鍵盤楽器を用意し、実際に歌本とかネットの歌詞+コード譜サイトで自分の好きな曲のコードをひとつひとつ導き出しては実際に弾いてみる事です。弾くと言っても右手でただバーンとコードを押さえるだけでいいです。どうしても左手を使いたかったら、左手はどっか低い所にあるルート音を押さえときましょ。
例えば「Em7」と書いてあっても「Em」を弾いちゃうという感じで、あなたはもうコードネームの中から3和音の部分を発見出来ますよね?
3和音より後ろの部分は無視してガンガンやってみてください。
「F/G」だぁ?シラネ。先頭がトライアドなんだろ?じゃぁ右手で「F」弾いとけ。で全然オッケー!もし余裕があったら左手で「G(ソ)」でも押さえといてあげてください(笑)。
最初はさ、「Bm9?」9は知らんから「Bm」でいい・・・っと。えーっと、マイナーだから「3⇒4」で、ルートが「B」で、いち、に、さん、だから「D」か。さらに、いち、に、さん、し、だから「F#」か。シとレとファ#か。あれ?合ってんのかなこれ・・・ぐらいの感じだと思います。でも、曲の中って同じコードが何度か出て来るものなので、1曲こなすと、そのうち視覚というか形で覚えられます。なんせトライアドは24種類しかないので、意外と早く慣れるかも知れませんね。アルファベットの文字数より少ないんだから。
でもね、法則は簡単だけど、楽器を弾けるようになるには根気と練習しかないので、そこは頑張りましょうね。毎日1コードを確実に!で全然いいです。頭の中に鍵盤の図を描ける人なら、楽器がなくても、いつでもどこでも出来まっせ。
コードの基礎は3和音(トライアド)なので、ここはじっくり覚えましょう。覚えましょうといっても、トライアドを全種類覚えるんじゃなくて、法則1と2を使う導き出し方を覚えてモノにしてください。
どのルート音からでも導き出せるようになればしめたもの。ジャズは無理っぽいけれど、ポップスはギリギリダメかもしれないけど、フォークソングなら大抵の曲は弾けます。もうトライアドはこの2つの法則でイケちゃうので、次回は「7」のつく4和音についての法則を伝授します。
3-5:まとめ
1:法則1「○(メジャー)」は『4⇒3』
2:法則2「○m」は『3⇒4』
3:ルート音、2番目の音、3番目の音、の順番をしっかり把握すること
4:実はメジャーコードの2番目の音を半音下げたらマイナーコードになる5:「転回」してもコードネームは一緒
では、宴も酣(たけなわ)ではございますがこの辺で失礼します。
次回は「7系の4和音の法則」を紹介します。またね!
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