心臓に刃

自分の好きな子が笑っている姿を見るのは一番幸せなことですが、その微笑みを僕が作ったものではなく、僕が生んだものでもなく、他の誰かによって発生したものならば、それは時々憎らしいものに変わるのです。愛することがあるならば、憎しみというものも当然影としてあることで、どうしていいのかわからんけど、どうすることもできないもどかしさというのはあることもあるでしょう。
誰だって誰かに優しくなりたいし、いつも笑っていたいけど、それが出来ない時だってあります。
それができないときだって、いつでもあります。
君の幸せを願いたいけど、願えなくて、どうして私は彼と一緒におれないのだろう、どうして自分は笑わせることができないんだろう、って、
横で見続けることしかできない腐敗した匂いの根源が、体の中心にあることはさぞ体に悪い。
そういう二面性が誰にでもあっておかしくないと思うし、それくらい自分は好きだった、とも思っているけど、それが間違った愛だとしたら、愛をどう育めば綺麗な花が咲くんでしょうか。
綺麗な水槽を保ち、金魚は何年も生き続けることができるんでしょうか。
そういう青春が眩しい頃は発生していたと思う。
し、心はいつだって苦しい。
恋という感情を掘った土に埋めて埋葬できるなら、沢山の恋を生んでは殺せるのに、
悲しいままミイラ化して、夜になると浮遊しているのは実に醜い、それでも孕ませるのは、
僕たちが人間だからでしょうか。
心を持ったからでしょうか。
お腹が空きました。傷を持った少年少女、君たちの感情は本物だと言いたい。
押し殺した感情があるとしたら、それを持ち続けているとしたらそれはいつか太陽よりも輝くかもしれない。刃物の先端みたいに痛いこともある。
心臓をいつかひとつきにしてこの痛みを取り除けたらなぁ、痛いと笑って死ねるのでしょうか。
もうすぐ夜明けだベイベー。
お腹がすいた。

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