インターメディアテク特別展示『極楽鳥』
東京駅近くの商業施設KITTE内にある、東京大学所有の標本等が展示された施設・インターメディアテク。
そこに所蔵されている鳥の剝製や鳥の博物画とともに、鳥をモチーフにしたジュエリーを展示し、その対比や共演を楽しむという趣旨の展覧会。
協賛のヴァン クリーフ&アーペルをはじめ、カルティエやモーブッサンなどの豪華絢爛なジュエリーが展示されていました。
これが会場内で一番感銘を受けた作品。
真ん中の大きいアクアマリンは、インクルージョン(内包物)やクラック(ひび)があって素人目にも最高品質ではないと分かるんだけど、それがむしろ羽毛っぽい鳥らしい質感に見える。
透明で色の濃いアクアマリンを使ったらこうはならないだろうから、チョイスの妙に興奮しました。
そして、イエローゴールド羽根の彫金のやわらかさ vs プラチナ尾羽のトッキントッキンな硬質の輝き、この対比が最高!
ジュエリーの楽しさがたくさん詰まった、いつまで見ても見飽きない逸品。
これも同じくピエール・ステルレの作品。
この作者のコーナーには「ファンタジーの鳥」というタイトルがつけられていて、特定の鳥がモチーフではなく、鳥のイメージを様式化・デフォルメ化したジュエリーだそう。
しかしルビーインゾイサイトの色彩や、ぬめらっとした模様が、いかにもこんな鳥いそう! というリアリティ。
先二つよりもっとデフォルメが顕著なのに鳥らしさは健在。
尾羽はイエローゴールドのチェーンが揺れる造り。
デフォルメ繋がりで、ヴァンクリ製のこちら。
このブランドは普及品でさえ手の届かない値段なので遠巻きに見ていたのですが、なんとなく具象的かつフェミニンというイメージを抱いていたので、このクールで大胆な簡略化には痺れました。
頭部の無色透明の宝石、ダイヤなの?! でっっっっか!!
1コーナー全て孔雀ジュエリーだったくらい、モチーフとして強い鳥ですよね。
その中で私が一番好きだったのは三大貴石を使いまくったこちら。
何故かというと、これ作った人絶対(?)エメラルドカットのエメラルドが好きだから。
「ラウンドも好き~ペアシェイプもカワイ~でもエメラルドが一番キレイなのはやっぱエメラルドカットっしょ~!!!↑」というパッションを受け取った、勝手に。
ギャルゴールドスミス。
マラカイト(緑の石)のしま模様が羽の向きに沿って並べられていたり、珊瑚の形をそのまま生かした止まり木だったり、植物・動物・宝石など全てをひっくるめた「自然」への尊敬の念が感じられてメチャ良い。
見えますか? 全てのフチにミル打ち。
もちろんひとポチひとポチ手作業だよね?
やっぱり高いジュエリーって狂気の沙汰だな……。
なぜかこれだけキャプションを撮り忘れてしまいました。
飛び立つ瞬間を表現しているとか書いていたような、なかったような。
動いているものを、時間経過を無視してこういう風に一つのレイヤーに重ね合わせて(レレレのおじさんの足みたいに)表現するのが面白い。
絵画でも、未来派のバッラという人が、犬の足を何本も描いて散歩散歩ぉ! ビャビャビャビャ! ってしている動きを表していたけど、ジュエリーでははじめて見た。
これはもう赤ずきんチャチャのビューティーセレインアローでしょうよ……どれか一個もらえるならこれが良いよぉ~と女児心にマジカルシューッされてしまいました。
他にも有名なジュエリーメゾンの作品がたくさん↓
色んなカット、カービング(彫刻)された石が使われているのが楽しい。
鳥の表現よりジュエリーとしての全体的バランスがカッコイイ。
たくさん写真を載せましたが展示品のごく一部。
これだけボリュームのある展示で入場無料、立派な冊子もテイクフリー、ありがたやありがたやと仕事帰りに休みの日に3回通いました。
会期はとっくに終わってしまったのですが、行けなかった方にも少しお裾分けできていたら嬉しいです。
全然お金は払うから、またやってほしいなぁ。
日々に彩りをありがとうございました……やはり、ジュエリー・イズ・パワー!!!