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コンテンポラリージュエリーのこともっと知りたい!

こんにちは、ジュエリーが好きな人です。

アートの展覧会もまぁまぁ好きで、たまに観に行ったり買ったりします。

そんな私がジュエリーに本格的にのめり込み始めてから暫くして目にした言葉、「コンテンポラリージュエリー」。

えっ面白そう! どんななの? コンテンポラリージュエリーのこともっと知りたい!

というわけでこのnoteは、「『コンテンポラリージュエリーのこともっと知りたい!』と思った人に向けての記事」ではなく、「『コンテンポラリージュエリーのこともっと知りたい!』と思っている人が書いた記事」です……あしからず。


コンテンポラリーダンス、コンテンポラリーアート、とかくコンテンポラリーと付いたものは取っつきにくい。

ダンスについてはSWAN(バレエ漫画)でコンテンポラリーバレエ篇を読んだくらいしか知識がありません。

コンテンポラリーアートは結構好きです。

でも、じゃあどういうものか説明してと言われると……

今日までの美術の流れを汲んだ上で、それに対してカウンター的な表現だったり、今の時代や世相を反映した表現のこと、かな?

現代に作られたアート全てが現代アートではないですもんね。


さて、コンテンポラリージュエリー(以下CJ)もそういうものかな~という漠然としたイメージを持って、いざしっかり調べようとすると、日本語で書かれた資料が少ない!

日本語の記事を読む労力が1のところ英語の記事だとそれが100くらいになって、急に面倒くさくなり知識欲がしゅるしゅる萎んでいく……他の言語に至ってはもっと読めません。

そんな中でありがたいことに日本語でCJについて書かれている記事などを、備忘の意味も兼ねてリンクを貼っておきます。


私の主な情報源。

門外漢でも分かりやすく書いてくださっています。

Contemporary Jewellery Symposium Tokyoという組織? の代表を務めていらっしゃる方で、しかもご自身もCJ作家さんのようで、そりゃ熱量もあるよねと納得。

特定の作家や時代についてではなく、CJの定義や現状、問題点などのトピックを一つ一つ取り上げて書かれています。

詳しい人の話を聞くのってすごく勉強になるし一番分かりやすいけど、その人の時間を奪うことなので、こうやって文章にして発信していただけるのはありがたいなぁ~と思います。


また、この方が講師として登壇されているオンラインスクールも面白かったです。

一応お子さん向けではあるのですが、子供だましの内容でないので大人も勉強になります。


作っている側の方のリアルな主観・思考について聞けるのはすごく嬉しいし、文中で紹介されている記事も面白かったです↓


JEWELRY JOURNALでも今CJの連載があります。

時系列や国ごとに歴史をまとめてくれているので、流れを掴みやすいです。

まとめながら気づきましたが、一つ前のリンク、座談会の記事でパネラーとして参加されていたジュエリー研究者・秋山真樹子さんが書かれているのですね。


余談ですが、JEWELRY JOURNALも、数少ない国内のCJギャラリーであるMIN GALLERYも、新宿伊勢丹に行ったら必ず立ち寄るジュエリーのセレクトショップCULETも、ぜーーーんぶNew Jewelyが運営していると知ってビビりました……お釈迦様の掌の孫悟空か私は。


最初にコンテンポラリーなんちゃらは取っつきにくいと書いたのですが、以前はコンテンポラリーアートが嫌いでした。

新しいことやったもん勝ち!! みたいなのが嫌で……。

でも藤堂さんという美術家の作品を見て、そこから興味が持てるようになりました。

ベルリンの壁など歴史的出来事があった場所の石を採取し、その間にガラスを挟んだ彫刻です。

その展示では壁に本棚が据え付けられており、本来なら本文のページが挟まっているところが、彫刻に使われているのと同じガラスに置き換えられていました。

そのお陰で彫刻が表している、その場所に堆積した時間や歴史という意図がクリアに伝わってきて、そして何よりすごく美しかったんです。

それから、現代美術と銘打ってあるものも食わず嫌いせず見てみよう・と思えるようになりました。


今となっては、理解できなかったり共感できなかったり自分は美しいと思わないものを見て、そして考えることも、良きことかなーと思ってなるべくするようにしています。

自分が分かることより分からないことの方がはるかに多いので、理解/共感をベースに嫌い即要らないと判断してしまうと、世の中の大部分が楽しめなくなってしまい、それはもったいないことかもって。


そういえば数年前ART FAIR TOKYOにはじめてジュエリーが出展された時、会場内で来場客が「もう何でもありだな(笑)」と言っていました。

当時私はまだそこまでジュエリーにズブズブではなくあくまで絵画を見に行っていたので、その時は特に何も思わず……いや、何かしら思うところがあったから今まで記憶に残っていたのでしょう。

ジュエリーの歴史を調べ始めて知った「アートは純粋芸術/ジュエリーは応用芸術」という芸術の中でのヒエラルキーみたいなものと、AFTで聞いたおじさんの言葉が、パズルのように組み合ってまさに今腑に落ちました。


ジュエリーはただ美しいだけで良いし、美しいことこそジュエリーの機能である。

パワーストーンの類は信じておらず、パワーがあるのだとしたら石という物体ではなく石の美しさにパワーがある。

というのが一介のジュエリーファンである私のスタンスです。

だから、ジュエリーとは何か? という問いをもって作られたわけではないコンテンポラリー「じゃない」ジュエリーも美しければ好きだし、逆にどんなにコンセプチュアルでも美しくない、これは苦手……っていうのもあります。

しかし前段落に書いた理由で、色々見たり考えたり試したりしたいなとは思います!

ヒヨコのはく製のネックレスは試したくないです。


ジュエリーは身に着けるものだということ自体を否定するCJとかもあるようですが(これは岡本太郎の座ることを拒否する椅子みたいなものかな)、普通のジュエリーが好き♪ から入った身としては着けて楽しい・をどうしても重視してしまいます。

人間ではなく木が着けるジュエリーとかも面白! だったけど、うぉー私にも着けさせてくれーってなっちゃうw


やっぱり私が好きだーーーってなるCJ作品って、美しくて尚且つ意図(コンセプトやストーリー)と表現(見えている形)がバチッ!! とハマったもので装着可能なものなんですよね。


最後に私が持っているCJを紹介します。


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①gallery deux poissonsで購入した、CJについて調べていたら絶対名前が出てくるハイス・バッカーの作品。

そのタイトル(「You can't have it all ring」)が示すように、3本のリングに一度に指を通すことは不可能であり、宝石という価値からも解放され、身に着ける人にとって一番大切なものは何かを問いかけるようなコンセプチュアルな作品。(ギャラリーの販売ページより引用)

完璧な説明で補足することがない。

あ、着け心地は見た目よりずっと良いです!


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②GIFTEDのmissingネックレス。

作者の方は元々CJ畑出身なのだそうです。

クロスからキリスト、メダイからマリアを抜き取ることにより、教徒もそれ以外の人も着用可能になった装身具。

私はお墓に手を合わせる程度の仏教徒なのでもちろん後者です。

コンセプト惚れして1年越しで購入しました。


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③ritualのドクロピアス。

作者さんにはそういう意図はないと思うのですが……

結ぶとか慶事弔事に使用されるとか「(現在ジュエリーから失われつつあると評されていた)呪術的な要素」を持った素材を、あくまでも素材は素材と割り切って使用し作られた、メメントモリジュエリー、とCJ的面白さを勝手に見出しました。


自分でもびっくりするほどたくさん書きました。

その道の人が読まれたら色々ツッコミどころがあるかもしれませんが、初心者がハマった勢いで書いた文章からしか摂取できない栄養素があるし(ポジティブ)。

三連休最後の日は届いたオットー・クンツリ展の図録を読んで過ごします。

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