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03 教科・科目の目標をハリボテにしない。

目標、改善されたらしいよ。

芸術科で育成を目指す資質・能力を
「生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質・能力」と規定し、
目標を
 (1)「知識及び技能」
 (2)「思考力、判断力、表現力等」
 (3)「学びに向かう力、人間性等」
の三つの柱で整理して、これらが実現できるように示した。
また、各科目の資質・能力の育成に当たっては、生徒が見方・考え方を働かせて学習活動に取り組めるようにすることを示した。

高等学校学習指導要領解説「芸術編」
第2節「芸術科改訂の趣旨及び要点」2「芸術科改訂の要点」(1)目標の改善

学びづくり(「題材名」→「題材の目標」)について考えていたら、突如として目の前に立ちはだかった「学習指導要領」ですが、多くの場合、学習指導案を書くときくらいしか読まないと思います。

が、

授業のヒントがたくさん書いてありますし、どんな教育書よりも学習の意義が具体的に価値付けられているというのはありがたいものだ、と手を合せながら読んでいます(ホントか?)。


さて、冒頭に引用したのは「解説」の7ページからの文章ですが、どんな資質・能力を生徒が身に付けていくのかと、その手段として「見方・考え方」を働かせることを位置付けています。
しかも、全ての教科で同じことが書かれている!

このことによって、他の教科を参観することがあっても、「あ~、この時間は知識を重点的に扱っているんだね」や「この活動で表現力の育成に結びつけようとしているのか!」など、共通の授業を見る視点が共有されたということです。これってホントにありがたいな~(な~む~、ちーーーん)。

で、具体的な目標はどんなん?

芸術科の目標

芸術の幅広い活動を通して,各科目における見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の芸術や芸術文化と豊かに関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)芸術に関する各科目の特質について理解するとともに,意図に基づいて表現するための技能を身に付けるようにする。
(2)創造的な表現を工夫したり,芸術のよさや美しさを深く味わったりすることができるようにする。
(3)生涯にわたり芸術を愛好する心情を育むとともに,感性を高め,心豊かな生活や社会を創造していく態度を養い,豊かな情操を培う。

上記 第3節 芸術科の目標

音楽Ⅰの目標

音楽の幅広い活動を通して,音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社会の中の音や音楽,音楽文化と幅広く関わる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)曲想と音楽の構造や文化的・歴史的背景などとの関わり及び音楽の多様性について理解するとともに,創意工夫を生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。
(2)自己のイメージをもって音楽表現を創意工夫することや,音楽を評価しながらよさや美しさを自ら味わって聴くことができるようにする。
(3)主体的・協働的に音楽の幅広い活動に取り組み,生涯にわたり音楽を愛好する心情を育むとともに,感性を高め,音楽文化に親しみ,音楽によって生活や社会を明るく豊かなものにしていく態度を養う。

 上記 第2章 各科目 第1節 音楽Ⅰ  2 目標 

「芸術科」と「音楽Ⅰ」の目標を並べてみました。目標の最初には「柱書」と呼ばれる一文があり、その教科・科目でどんな資質・能力を育成するのかの概要が書かれています。そして、(1)~(3)には、その具体の内容が、それぞれ「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力人間性等」に分けて示されています。それぞれの内容については、解説にちゃんと書いてありますので、読みましょう。

ようやく「学びづくり」に戻れるぞ!

というわけで、端的に言えば、教科・科目の目標が3つの資質・能力で具体的に示されたので、学びづくりの際(≒学習指導案を書く)にも、題材の目標は3つの資質・能力ベースで項立てながら示した方がいいよねってことです。教科・科目の目標に基づいていれば、絶対にブレがないですから!

さて、今回、noteの記事としては4本目ですが、おそらく「ブレない」という単語をほぼ毎回使っていることに気付きました(本当か?と思ったあなた!ぜひ確認してみてください)。生徒の学びをつくる上で、教員の経験や思いの強さが時としてブレを生むことがあります。そのブレによって、せっかく苦労して構想した学習全体が、目標達成に向かっていないことさえあります。つまり、ただのお題目としてソレラシイ言葉がちりばめられたハリボテのような目標も世間にはたくさんあるということです。そんな指導案をコピペなんかしたら、本当に目も当てられない(な~む~、ちーーーん2回目)!

そんなわけで、ブレのない学びとするためにも、題材の目標は教科・科目の目標に基づいたものとし、同じように3つの資質・能力に沿って作成するとよいというお話でした。


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