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人を想う時間

オーストラリアに留学していた時、一度バイトを解雇されたことがあった。
オーストラリアでの生活費はバイト頼りだったため、いきなりの解雇は参った。
お金が無いとやはり精神的にも余裕がなくなってしまう。
当時、語学学校卒業まで2ヶ月。
ワーキングホリデーでも人気なオーストラリアにはたくさんの働き口があったが、そんな短期間、しかもろくに英語が話せない日本人なんて、そう簡単に雇ってくれない。
とにかく働ける可能性の高いジャパニーズレストランしかない。
自分で簡単な履歴書を作り、コピーした履歴書を持って直談判。
サイトで募集しているところに10件以上メールする。
もうどんな条件でもいいから働ける可能性があるんだったらとことんメールした。
募集は毎日更新されるのに返信は全く来ない。
履歴書を渡しに行ったところからも連絡は来ない。
バイト決まらなくて、お金もなくなったらもう帰ろうかなとまで考えていた。

ある日ひとつのジャパニーズレストランから連絡が来た。
キッチンハンドだったら募集していると。
料理なんて自信ないし、外国人と接する機会があるホールスタッフの方がいいと思っていた。
でもこの際、そんなこと言ってられないし、2ヶ月だけでも雇ってくれるらしいし、がんばろう!と思ってキッチンハンドに挑戦。

シドニーにある「魚や」というお店なんだけど、名前の通り、魚料理のお店で、めちゃめちゃおいしい。
飲食店の良いところは賄いがつくところ。
1食分の食費も浮いちゃうわけです。
もうね、賄いのレベルじゃない賄いを毎回いただいてたんです。
幸せすぎました。

挑戦したキッチンハンドは意外と楽しくて。
料理って楽しいかもと思ったり
ブリってこんなでかいの?って発見したり
イカの解体をさせてもらえたり。
オーストラリアってアルコールにも厳しくて、色々ルールがあるんだけど、お店にアルコール持ち込みOKなところが結構ある。
OKな代わりにそのお酒、お店にもちょっとちょうだいねっていう決まりもあって、ものすごく高価なワインを料理長はよくもらってくる。
そんなワインたちを飲み比べとかもさせてもらってた。
あんまりワインのおいしさ詳しくないけど、「あ、これ渋いですね!」って言ったりしてた(笑)
(ほんとに渋さに違いはあった)
魚博士の料理長は若いときにイタリア(?)に何年か修行してたとか。
結構アクティブな人で、話もあって料理長には良くしてもらった。
私がシドニーマラソンに挑戦するとき、「目標4時間切り」を達成できたら好きな料理なんでも食べさせてやるって言ってくれて、達成できて、私の大好きなブリ料理をフルコースで振る舞ってくれた。
また帰国して滋賀に来たら一緒にビワイチしましょうって言って。

そんな料理長から今日、あけおめLINEがきて嬉しかった。
オーストラリアのこと色々思い出したな。

誰かに手紙書いたり、プレゼント選ぶ時ってその人のことを思い浮かべるよね。
だから手紙もらった時とか、プレゼントもらった時、そういう時間を含めてとてもうれしくなる。
自分のいい方に考えちゃうからな。笑

だからLINEがきてうれしかった。
人を想う時間を大切にしたいなと思った。

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