国際芸術祭あいち2022〜一宮地区へ〜
一宮市は愛知県名古屋市のすこし上、尾張と呼ばれる地域にある街。一宮といえばモーニングというイメージ…!ということで芸術祭に行く前に「白鳥」という喫茶店でモーニングを食べてきました。
これはモーニングのメニューではないのですが、どうしてもオムライスが食べたかったので注文しました。オムライスに福神漬けという付け合わせはどうなんだ…?と思ったのですが、想像しているよりも良い感じの組み合わせでした。
※余談
ちなみに白鳥さんのモーニングはドリンク注文でトーストとゆで卵が無料で付いてきます!なんとドリンクについては頼めば、モーニング関係なくいつでも菓子パンが1つもらえちゃいます...笑 あとは福神漬けを付け合せしてくれるお店のカレーは絶対に美味しい!!!!
モーニングを食べ終え、1番最初に向かったのは「のこぎり二」というのこぎり屋根工場。ここで知ったのは一宮市は織物が有名だということ。なんと織物の全国シェア60%を占めているらしい!昔は「女工の街」と呼ばれ、繊維工場で働く女の人は「織姫」の愛称があったのだとか。
工場内には織り機や糸がたくさん置いてありました。小さなマルシェもここで行われているらしく、ハンドメイドの作品なども売られていました。地元の子どもたちがここで絵を描いたり、走り回っていて微笑ましかったです。
「圧倒」という2文字以外にはこの作品を表現する言葉が見つからなかった...塩田千春さんの作品をみるのは3年前に森美術館で行われた「魂がふるえる」という個展以来でしたが、あの日に塩田千春さんの作品を見た時と同じ感覚になりました。こんなにも壮大なのに繊細だからか、真っ赤な毛糸のせいなのか、この何か分からない物体がこの場所で生き続けているようにみえた。
テクノロジーは最新であるのに、登場人物や建物、流れる音楽にどこか懐かしさを感じました。とても不思議な世界観だった。会場は工場の一角の室内で、学校の教室を思い出す床や、年季の入った映画館の椅子がさらに懐かしさを感じさせてくれた。
何度か芸術祭は行ったことがあるのですが、こうしたパフォーマンスを見るのは初めてだった。みんな静かにじっと鑑賞していました。パラパラと降る雨の音が偶然にもパフォーマンスの空気感と合っていてとてもよかったです。
この場所に合わせて作られたのかな?と思うほどには違和感のない展示。建物も美しく、歩くだけで楽しかった。
墨会館は丹下健三さんという建築家の方が設計しています。調べてみると愛知県ではこれが唯一の丹下健三さんの建物でした。普段は地域の人たちが丹下健三さんツアーを開催しているらしく、建物の説明などをしてくれるのだとか。施設の方がまた来てねと言ってくれた。建築が大好きなのでまた絶対に行きますと伝えた。
建築まで楽しむことができて3会場で腹8分目まできてしまった。有松地区と同様に展示されている作品よりも建築ばかりを見ていたせいか、一緒に来ていた母まで建物の写真を撮り始めたので笑ってしまった。この窓も「可愛いねえ〜」なんて言いながら、まるでファンのように撮っていた。( 芸術や建築には1mmも興味がないのに、笑)
商店街に飾られている布だったり、服屋さんや仕立て屋さんなどが多いのをみると、織物が有名な街であることがよく分かった。
そんなことを考えながら商店街を歩いていると、奈良 美智さんの作品が展示されているオリナス一宮( 旧名古屋銀行 )に到着した。入ると左側に小さな四角が...
商店街をまっすぐに進むと、真清田神社という立派な神社があった。一宮市の由緒ある名高い神社で、年間120万人の参拝者が来るのだとか。行事がある時には露店が出店したりもするそう。なんと商店街が参道になっているらしく、商店街からずらっと露店が続くようで、お初月や七夕の季節にはかなり賑わうのが想像できる。
神は信じていないので立ち寄るつもりはなかったのだが、母の趣味が御朱印帳集めであったため、強制的に立ち寄ることになった。七五三の季節であったため、神社には似合わないカラフルな飾りがいっぱいだった。
神社のまわりにはずらっと今はやっているわからない、シャッターが閉まっているお店がたくさん並んでいた。古道具屋さんがあったり、やはりここにも服飾系のお店がたくさんあった。たこ焼き屋さんからは良い匂いがしていました。
参拝を終え、神社を通り抜けると旧一宮市立中央看護専門学校に到着した。4人乗るのが精一杯くらいの狭くて壊れそうなエレベーターに乗り、最上階まで行くと、大きな1枚の絵があった。生命力とか、輝く未来を表すような力強い絵だった。
看護学校では実習室や教室の空間をめいいっぱいに使った展示がされていた。学校にある物品を使用したり、音をつかったり、大きなモニターだったり、身体を使って踊るようなところもあった。
新型コロナウイルスが流行してからのことや、地球や世界の人々、命や病気についてを題材にしている展示が多く、興味深かった。
1つ1つゆっくり映像作品を見ることができなかったけれど、演習室に沐浴室、在宅室などとても懐かしく、嬉しい気持ちになった。わたしは看護学校に通っていたため、こうして学生の時のように足を踏み入れることができたのが嬉しかった。馴染みある設備にさまざまな展示がされていることが面白く、大事に使用していた物品たちが1つの作品になっているのは不思議だった。学校の匂いもあの頃を思い出させてくれた。
氷のないスケートリンクを見たのはじめてだった。あの氷の下はこんなふうになっていて、氷が溶けないようになっていた。スケートリンクは青いライトに照らされて、氷はなけど冷たい印象だった。みんな好きな場所で自由に映像を鑑賞していた。
ここまで結構な距離を歩いてきたため、自分がおもっている以上にヘトヘトになっていた。ここでこのまま休憩しながら帰るのも良いか〜とは思ったが、行きに歩いてきた道を折り返し、なんとか最後に「豊島記念資料館」へ行った。豊島記念資料館では様々な種類の織り機や民具が収められていた。
体力も時間もギリギリで辿り着いたのに、羊の解体から羊毛を織るまでの映像を見ることなるとは…なんて考えながら階段を登ると、そこで織られた物が作品になった姿があった。それを見た瞬間ここに来て良かったと思った。
「うわぁ…」と声が出てしまった。これは落下傘で、後ろに見える羊の皮は星なんだとか。星空を落下傘で降るのをイメージすると、迫力のある作品がもの凄く綺麗に思えくる。この落下傘は大きな布が何枚かで繋がっていて、厚みもあり、丈夫そうだった。
一宮会場では作品を通して一宮市の歴史を知ったり、会場や街からも歴史を感じることできました。母と一緒に来れたこともうれしかった。
それでは、また
もーにんぐ、か