“外国人”というアイデンティティが自身を”兵器”にする。映画『フィリップ』
『フィリップ』は、60年ものあいだ発禁処分を受けていたポーランドの作家の自伝的小説が基になっている、おそらく”ほぼ実話”の映画だ。
あらすじではさらっと書かれているが、ナチスの女性と寝ることがなぜ”復讐”になるのかというと、当時のナチスドイツでは外国人労働者やユダヤ人と親密になった疑いのある女性は丸刈りにされる法律があった。相手側の外国人は処刑される。銃も毒薬も必要ない、ある意味で法を逆手に取った文字通り身を挺した復讐だ。”外国人”であるというアイデンティティが自分を”兵器