他業界から見る301のプロデューサーとは- 保田優衣 インタビュー| WHAT IS 301 PRODUCER? #3
301らしいプロデューサーとは何か?を問うシリーズの第3回目は、経営アドバイザリーの立場から301をサポートする保田優衣さんのインタビューです。コンサルタントとしても活躍し、一見デザインとは交わりにくそうに感じる他業界にも身を置く彼女だからこそ感じる301らしさ、301のプロデューサー像を聞いてみました。
「何ができるか」より「何がしたいか」
ーー今日はインタビューよろしくお願いします。保田さんのキャリアがかなり興味深いんですが、301に出会うまでのお話しからうかがえますか?
私は最初、ファッション業界で働いていました。自分にあまり自信が持てなかった時期に、服に助けられた経験があって。洋服を通してなら自分を表現できる!って感じられて、その楽しさを伝えたいなと思ったのがきっかけでした。販売職を通して、好きなものに囲まれて働く喜びや、同じ「洋服が好き!」という思いを共有できる人に囲まれて働く環境が私にとってすごく心地よかったんです。そして、その思いに突き動かされた結果、ファッションと語学をNYで学ぶため退職を決心。帰国後に転職した会社では、ずっと憧れていたバイヤーになりました。
ーー憧れのバイヤーに!いつ頃ですか?
ファストファッションが盛んになり始めた時期です。ただ、その頃になるとファッション業界全体の元気が無くなってきて。洋服が売れなくなったり、街に溢れる服も似たり寄ったりに感じられたり、働く人も生粋の服好きが減っていく印象がありました。私がずっと憧れてきたファッション業界ではなくなっていく気がして、業界全体を変える方法を学ぼうと、再びNYへの留学を決めました。
ーー2度目のNY留学ではどんなことを?
大学院でCSR(Corporate Social Responsibility)の知識を身につけました。勉強をする中で、ファッション業界で働く人たち、洋服を生み出し、伝えていく人たちが楽しく働けるように環境を変えたいと思うようになり、ファッション業界のコンサルタントを目指そうと思いました。
ーーコンサルとクリエイティブってあまり交わらなさそうな業種かなぁ、と思ってしまうのですが。
実は私も最初そう感じていて、301が手がけてきたクリエイティブもカッコ良いし、何だか楽しそうだけど別世界だな・・・と(笑)。301との出会いは、友人が301で働いていて、5周年のイベントにふらっと参加した時。大谷さんと話をして、「自分の強い想いからプロジェクトを始めること」、でもそれが単なる独りよがりではなく「結果として社会にも良い影響を与えること」を意識している点に共感しました。何よりその時に、クリエイティブチームなのに飲食スペースをもつという未来像を聞いてすごくワクワクして。理想を語るだけでなく、それを具現化していく姿勢がいいなという思いが強くなり、思わず「何かしら関わりたい」と私から言ってました。大谷さんも、私が「何ができるか」ってことより「何がしたいか」にフォーカスしていた気がします。
メンバーが後悔なくプロジェクトをやりきれる環境を整える
ーー301と出会った時はすでにコンサルのお仕事をされていたんですか?
そうですね。今も所属している会社で、当時からコンサルタントとして働いていました。最初にコンサルを目指した時は、ファッション業界の力になりたいと思っていたけど、担当していたのは製造、物流など、ちょっとお堅いイメージの会社。それでも、色んな業界をみた上でファッション業界に入り込んでいけたらという思いの中で、主に事業開発案件、具体的には、市場調査、仮説設計、スケジュール設計、実証実験、実験の検証項目を作る、というような戦略部分の構築をしていました。
ーーその経験が301でも活かされているんですね。
いや〜、最近301の役に立っているのか不安になる時もあります。私は、行き詰まっている物事が前に進んだ時に、役に立ってる!って感じられるんだけど、今メインでかかわっている営業や財務面での知見が豊富なわけではないので、何かできているかなぁ?って思うことも。
でも、自分自身が何度もキャリアチェンジしてきた中で、一見やってきたことはバラバラに見えるかもしれないけど、常に「やりたい」という思いに突き動かされてやれてきたから、どの時期、どの選択にも後悔がなかった。だから、一緒に働くメンバーが後悔なくプロジェクトをやりきれる環境を整える助けになりたい、っていう思いは常にあります。
ーーそういえば、最初の依頼は「mission」「vision」「value」を言語化したい、という話でしたよね。
はい。でも関わり始めた当初から、大谷さんから「経営戦略の組み立てにも携わってほしい」って話がでていたかな。なので、少しずつ、自分の生活やお互いの相性を見ながら関わる範囲が広がって。今は、組織や経営戦略の策定、営業・広報面のサポートなど幅広く関わっています。
ーー実際、一緒に働いてみてどうですか?
役割とか立場に線引きしないことがいいなって思います。社内でも、新卒で入ったメンバーがプロデューサーに対して、やりたいことが対等に言える。キャリアが長いメンバーもその声をウェルカムする環境。クライアントではなくチームメンバーとして対話する関係性。それはファッション業界で好きなものに囲まれて、「やりたい!」という思いが共有できる人たちと働いていた時も実現しにくかったことですね。
あと、駆け引きをしたり、人間関係の裏を読み合う必要がないのは301らしさだなって思います。コンサルだとどうしてもお客様感、「クライアント」と「コンサル」っていう関係を感じる時が多くて。第三者という立場だからできる提案もあるけど、その提案がクライアント側でどう判断されて、どこに行き着くのかを見守れない寂しさも。だから、思いを共有しながら、同世代で好きなものの感性が似ている人と一緒に何かを作って行ける経験は、なかなか所属している会社では出会えない。301だからこそ、ですね。
人との関係を大切にできる人
ーー301に関わって、保田さん自身の変化ってありますか?
気持ちの余裕が持てるようになりました。最近、所属先での役割も増えて、正直、仕事量は増えちゃったんですが(笑)301の仕事をやめるという選択は全く考えたことがないです。むしろやめたらメンタル面でのストレスになると思えるほど楽しんでいます。
また、所属している会社に対しても、色んな働き方ができるんだよっていうフックになれたらいいなと思っているので。301で働くことが、元々私がやりたかった「働く人の環境づくりやモチベーションアップ」に紐づいていると思います。そして、所属先以外に働く場所を持つことで「やりたいこと」と「やれること」がどんどんリンクし、生活の幅も広がってきています。
ーー最後に、経営の観点から301を見つつ、他業界でも働く保田さんが思う301らしいプロデューサー像ってありますか?
今秋できる301の新拠点「No.」は、これまで301でご縁があった仲間と一緒につくりあげるリアルな場。今まで301がぶれずに続けてきた「仕事の受発注を超えて、仲間として時間や想いを共有していく」ことを体験できる拠点にもなるので、例えば一つの仕事が終わっても会話は続くし、またそこから新しいプロジェクトがうまれることもある。そんな環境を「楽しそう!」と思える人には、まずはぜひ「No.」を訪ねていただければと思います。そして、私自身「やれること」よりも「やりたい思い」を元に301に関わりはじめた様に、「自分は違う業界だから」と感じている人にも301の一員として参画してもらいたい。経験値とかスキルももちろん大事なんですが、何より人との関係を大切にできる方、それが301らしいプロデューサーだと思います。
ーインタビューありがとうございました!これからもよろしくお願いします。
こちらこそ!
新たな飲食部門のスペシャリストも参画して、301は新体制で次のステージに進むので、この「No.」から生まれる新しい人との関わりやプロジェクトが今から楽しみで仕方ないです。そして、関わるメンバー1人1人がステップアップして次のステージに進むために微力ながらサポートできることも楽しみにしています。
今回インタビューを通して、気さくに語る保田さんの言葉の中に、301のプロデューサーであり経営者である大谷と同じ目線で会話する人だからこそ持っている共通項を感じました。そのエッセンスを少しでもお伝えできていたら、と思います。
そして現在301では、業界を問わず、プロジェクトを動かし、方向づけ、共に作っていく仲間をお待ちしています。今秋オープンする「No.」へのご訪問や、HPからのお問い合わせはお気軽にどうぞ!