初めての個人開発で作ったwebサービスが1億PVを突破した話
はじめに
こんにちは、2z(Twitter: @2zn01 )です。
この記事は、僕がプログラミングの経験や知識がゼロの状態から1億PVを超えるwebサービスを個人開発で作るまでの軌跡をまとめたものです。
僕は文系の人間ですが、プログラミングはすべて独学で学び、サービスの構想から開発も一人で行いました。
時期としては2005年~2011年の間のことで僕が中学生~大学生の頃の話です。
当時ではまだ主流だったガラケー向けのサービスを開発し、1日30~40万PV程度、総アクセス数は1億PVを超えることができました。
また、広告収入は1日3~4万円、月収では100万を超えることができました。
サービスのアイディア自体は当時の状況にマッチしてヒットさせることができたものですので、今同じものを作っても成功できるようなものではございませんので、ご了承ください。
あくまで当時のストーリーとしてお楽しみ頂ければ幸いです。
こんな僕でも月収100万を超えることができたことから、この記事を通して、アイディアとモチベーションさえあればサービスは開発できることが伝わればうれしいです。
あとは自分でアイディアを考えてカタチにする過程はとても楽しいことで、新たなサービスを自分の手で生み出せると考えるとワクワクする感覚を少しでも共有できれば幸いです。
目次
webサービスを作りだしたきっかけ
僕がwebサービスを作りだしたきっかけは、携帯でwebページが作れるサービスが出てきたこと。
インターネットに興味もあったし、ネットで調べたらお金も稼げるみたいな話もあり、すぐに始めた。たしか中学2~3年の頃。
最初の頃はアクセス数も多いときで一日100PV以下とかそれくらい。
最初は携帯向けレンタルスペース内の独自タグで作ってたけど、自由度がないので、ちょっとしたらHTMLタグが使えるフリーページに移った。tool-x.netのドメインのやつ。今はもうなくなってしまっているみたいだからすごい懐かしい。(このあたりが懐かしい人とはぜひ飲みに行きたいぐらい。色々と歴史があったから)
当時はPCは親が持ってたので自由に使えなかったから、ガラケーでHTMLタグを打ってた。今じゃ考えられない(笑)
このときは当時人気があった、着メロ、着うた、ゲーム、デコメなどの人気コンテンツのリンク集のようなものを作っていた。
最初は色々な掲示板に作ったサイトのURLをはって宣伝したりして、高校入るぐらいの頃には1日1000PVぐらいはいくようになった。だけど、そのときはまだ広告もはっておらず、特に収益はなし。
はじめてネットでお金を稼いだ!
はじめてネットでお金を稼げたのは高校2年の頃。
アクセスアップのために、掲示板への宣伝の他に、ランキングサイトへ登録してサイトへの流入数を増やしたりし、その頃にはアクセス数は1日1万PVぐらいはいくようになってた。
突然サイトにお問合わせがあり、月額6~8万ぐらい(記憶が曖昧)で広告を載せませんか的な話がきた。まだ銀行口座を持っていなかったのですぐに作って、この申し出を受け入れることにした。
最初は本当に入金されるのか疑心暗鬼だったが、ちゃんと振込はあった。
広告の掲載は2か月だけだったが、高校生にしては大金だったし、何しろネットで稼げることを実証できたのはうれしかった。
よくよく考えると、その広告はその人のアフィリエイトリンクで僕のサイトにすごくマッチした広告だったので、たぶんその人はその倍以上は稼いでたはず。足元も見られた感じだけど、まぁ、それもいい経験になったと思う。
次にその広告収入で稼いだお金を使ってレンタルサーバを借りようと考えた。その時点ではまだまだプログラムの知識もなく、携帯向けのレンタルスペースを使ってサイトを公開してただけだった。
サービス構想の検討
そんな中、高校2~3年の頃にガラケー向けのメタ検索ポータルサービスの構想を思いついた。
当時はガラケー向けの検索サービスというのは公式ポータルやYahooやGoogleなどはあるものの、検索精度はまだまだな感じ。
そこで、ガラケー向けに検索しやすいサービスがあれば、ニーズがあるのではと考えた。
ただ、プログラムの経験や知識はほぼゼロ。
そんな状況の中で自分で構想を実現できるやり方を考え、既に有名だった検索デスクというPC向けサービスのガラケー版を開発することにした。
検索デスクは色んな検索エンジンのポータル窓口のようなサービスで、各検索エンジンの検索結果に手間なくとぶことができる。
検索デスクはかなりのアクセス数があることが分かっていたので、サービスのニーズ自体はあるし、情報が少なく検索の手間もさらに負担が大きいガラケー向けはより大きなニーズがあると考えた。
また、検索ワードを入れて各検索エンジンにとばすというのは仕組み自体は簡単ですぐにできるとも思ったのも理由のひとつ。
プログラミング経験ゼロでサービス開発へ
構想がまとまった後はすぐに、検索エンジンが検索ワードに入れられた単語をどうやって処理しているのかを見るために、とりあえずHTMLのソースを眺めた。そこで、フォームの値の受け渡しにGETやPOSTという形式があることを知った。
たしか、その頃はGETはURLのパラメータにクエリがつくぞ、POSTはURLのパラメータにクエリがつかないぞ、ぐらいの区別しかなかった。
今にして思えば、しっかり本などで体系的に学べば良かったと思うが、そのときはとにかく作りたい一心で必死にやってた。
その頃は技術を体系的に学ぶことはできてなかったが、プログラミングを自分の作りたいものを作るための、あくまでも手段として捉えられていたのは良かったかもしれない。
よくありがちなこととして、チュートリアル止まりで実践力・応用力がなかなか身につかないだとか、技術ばかりに固執しすぎてそれ自体が目的となってしまうことがある。
僕は文系の人間なので学校でプログラミングを学ぶことはなく、どうやったら目的のものが作れるかを実践で身につけていったタイプなので、ある程度は実践力や応用力のようなものが自然とできていったのかも。
プログラム開発においても、プログラムは分からないながらもネットで似たような動作をするCGIを探してダウンロードし、それを目的の動作へカスタマイズするには何が必要かを教則本を読んで学び、修正するといった方法をとった。
このときはネットで調べてCGIといえばPerlというイメージがついていたので、プログラミング言語はPerlを使うことにした。自分の望む動作に近いプログラムを探し回り、見つけた後はプログラムの内容を読み解きながらちょっとずつ自分の望む動作となるようにカスタマイズをしていった。
学校から帰った後、深夜まで開発作業に取りかかったりして、何とか2~3週間程度で形にできた。
ドメイン取得からサービス公開へ
プログラムが出来上がってきた頃、ちゃんとしたサービスとしてやるなら、そろそろ独自ドメインでやりたいと考え、さくらインターネットさんでドメインをとることにした。
また、このときはPerlでプログラミングが出来上がっていたので、これもさくらインターネットさんでレンタルサーバも借りてサービスをリリースした。
アクセス数を増やすためにやったこと
アクセス数を稼ぐためにまずは小さいランキングサイトに登録し、ちょっとずつ大手のランキングサイトへ移行していくことで、流入数をうまく稼ぎながらアクセス数を順調に伸ばすことができた。とにかくアクセス数を稼げそうなことは何でも試した。
その頃はポータルサイトに憧れてたので、メタ検索以外にニュースや動画コンテンツなど色々な機能を付け加えたりもした。
このときはとにかくサイトへの流入数を増やしてサイトを知ってもらうこと、それからサイトを使いたいと思わせるコンテンツ作りにだけ注力した。これは流入数を増やし、離脱数を減らせばアクセス数は増やせるよねというシンプルな考えのもと。
そんなこんなを大学の2年まで続けた。
友達が自分の作ったサイトを便利だよって自分に紹介してくれたこともあった。webサービスを開発してることは知り合いには誰にも言ってなかったので、こうやって口コミって広がるんだなぁとか客観的に思って、話は知らない体で聞いてた。
実際に自分のサービスで爆発的にアクセス数が増えたのは、ある程度アクセス数が出た後の口コミによるところが大きい。口コミは指数関数的にアクセス数が増えていく力がある。
サーバ負荷への対策
アクセス数が狙い通り増えてきて嬉しかったのも束の間、問題がおきた。
アクセス数が増えすぎたためにサーバ負荷があがり、プログラムの実行に制限がついてしまった。このときはさくらインターネットさんの共有サーバを使っていたためにCPUやメモリをかなり専有してしまっていた。
これに対しては、以下の対策をとった。
・カゴヤ・ジャパンの専用サーバを契約
・DNSラウンドロビンによるアクセス負荷分散
まずは専用サーバを使用することでCPUやメモリの専有できるようにした。
また、一つのレンタルサーバ会社さんに依存してしまうと問題のため、DNSラウンドロビンによってアクセスをさくらインターネットさんとカゴヤ・ジャパンさんのサーバへそれぞれ均等分配されるようにした。
幸いにしてサーバ間で常時同期しなければならないファイルなどもなかったので、単純なアクセス分配となるDNSラウンドロビンの設定で十分こと足りた。
広告収入の最適化
その頃には1日30万PVを超えるようになっていたので、いよいよ広告をのせることにした。Googleアドセンスとモバイルアフィリエイトの有名どころを4社ぐらい。とりあえずは広告を載せるだけでも、アクセス数のおかげで1日で1万ぐらいは稼げた。
そこからは広告収入をどれだけ稼げるかみたいなのをゲーム感覚で続け、どこのどんな広告が最も収入を最大化できるかを分析したりもした。
仮説を出し、実際に検証して良かったものを取り入れていく。そんなことを大学3年の間に繰り返した。
そうこうしているうちに、1日3万ぐらいはコンスタントに稼げるようになり、多いときは4万ぐらいのとこまでは行けた。
この頃にはアフィリエイト会社さんから電話で連絡があることもあった。
今後もよろしくお願いします的なやつ。
税金対策のため、仕方なく起業することに
こうなると、税金を納めないといけなくなり、大学の授業の合間に税務署へ行って個人事業として開業届を出した。幸いにして高校は商業科だったので、さっそく勉強した簿記を実践で活かすことになった。
その他に電子申告や青色申告の申請を出したりもしたので、色々と良い経験ができた。すごく田舎なので、電子申告をやっている事例が少なく、手続き的にちょっと時間がかかったりもした。
こうして個人事業だけど、誰にも言わずに起業をした。(この頃は起業をしたイメージではなく、後で思い返したときにそういえば一応、学生起業したのかぁと思う程度の感覚だった)
就職活動
ちなみにこの頃にはスマホが出始めてたので、このままサービスの収益が長く続くはずがないと思っていたのと、ちゃんとwebサービスの開発ができるスキルを身につけたいと考え、就職活動もしてた。
文系だったが、web系システムのエンジニア志望で様々な企業に回り、何とか第一志望の会社に内定を頂くことができた。
そして事件は起きた
そんな中、事件は起きた。
運営しているサービスのドメイン更新を忘れてしまったのである。。。
当時、クレジットカードをもっておらず、自動更新設定はせずに銀行振込で対応してて、さらにメール通知にも気づかずにドメインが失効してしまった。ドメインをとりなおそうと思ったが、既に誰かにとられてしまっており、諦めるしかなかった。
それなりに頑張って成長させてきたサービスだったので1週間ぐらいは落ち込んだ。
ただ、ガラケーはもういい加減に下ぼそりってのは分かってたのと、かなり稼がせてもらったので、徐々にまぁいいかと思うようになった。
稼いできたお金はまったく使っておらず、税金の支払いをしたぐらいでほとんど貯金しており、完全にゲーム感覚で稼いだお金の数字でしか見てなかったというのも立ち直りが早かった理由かもしれない。
もちろんお金は生活するために必要だし、大事だと思うが、余剰資金は特に使うあてもなく、この頃からそんなにお金に執着心はなかった。
中学から育ててきたサービスを失ったことはとても残念だったが、稼いだお金なんかよりも作ってきた過程がすごい楽しく、充実感もあった。
その後のサービス開発
webサービスを開発して起業(個人事業)の経験はしたが、その後は就職して今もエンジニアとして働いている。昔より技術力は身についてきたし、会社員を続けてきたことも色々勉強になっている。
また、昔と違ってコンシューマ向けサービスよりもビジネス向けのサービスに関心が出てきている。システムを使ってどう業務を効率化できるか、など。
色々とやらかしたり、失敗はしてるが、これからも作りたい、実現したいと思ったwebサービスは開発していく所存。
自分のアイディアを考え、カタチにする過程も楽しいし、新たなサービスを自分の手で生み出せると考えるとワクワクする。このnoteでは、これまでに開発してきたサービス、今開発しているサービス、これから開発するサービスをどんどん紹介していきたい。
よろしくお願いします。
月収100万を稼いだサービスの紹介
あ、ちなみにドメインは失効したけど、Internet Archiveの方に当時のアーカイブが残ってた。(以下リンクは一番最後に残っていたアーカイブ)
積極的に晒していくスタイル。
スクショも記念に。
今となっては出すのも恥ずかしいけど、こんなサイトでも1日のアクセス数は30~40万PVぐらい、総アクセス数は1億PV達成!
まとめ
ガラケー時代なのでもう全盛期は8年以上前の話で、世の中は(技術も)どんどん変わってきているが、当時はこんなのでも月収100万はいけた。この経験をうけ、思いたったらやってみる、はじめてみるというのはとても大事なことだと思う。このサービス作りをはじめていなければ今の僕はない。
さらに今はプログラミングを始めるには最高の環境となっている。
便利なオープンソースが公開されており、プログラミングについてもネットで情報が溢れてる。その情報だけでwebサービス開発できるし、調べれば大抵の問題は解決できる。ProgateやAidemyなどの素晴らしいプログラミング学習サービスもある。
また、クラウドサービスも充実してきており、web上のコンソールで簡単な操作でサーバも簡単にすぐに立ち上げることができる時代でもある。
便利なAPI、PaaSなんかも提供されている。どんどんwebサービスを提供するにあたってのハードルが下がってる。もうおじさんは感動しちゃうレベル。
技術力がなくてもやる気次第でサービスは作れる。もともと技術も何も知らなかったこんな僕にも独学でできたんだから。サービスはとりあえず作り始めて、必要なことは勉強しながら実践すればいい。誰でも最初は初心者。とりあえずは体裁も何も気にしなくていい。徐々に改善していけばいい。
とりあえずはじめてみよう!やってみよう!
はじめなければ何も生まれないのだから。
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本記事で紹介したWebサービスはドメイン失効で失ってしまいましたが、その後もWebサービスを作り続けて、ブログでも情報発信しています。
今運営している主要なWebサービスは以下の通りです。
作ったWebサービスに関する技術記事も書いてますので、良かったらぜひご覧ください。
ここまでお読み頂き、誠にありがとうございました!
それでは!