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ハコZINE読みます 6日目
どうも。ニネンノハコ店番の委員鳥です。
大門文芸市でハコZINEを購入しました。せっかくなので掲載順に感想を書いております。
最近、夜でも本を読めるようにあるものを買いました。
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年齢は受け入れ、文明の利器は受け取っていくスタイルです。
では6作品目の感想書いていきます。
ハコ足るには、閉鎖された六面が必要なのか
畑中 玄華
感想〉畑中さんが子供のころ手に入れた(与えられた)箱として、二畳半の小部屋とそれに接する箱庭が冒頭で紹介される。
私が好きなのは箱庭に関する説明。何に囲まれててどれ位の大きさなのか。そしてそこで感じたもの、景色。「ロッキングチェアに揺られながら天空に現れた飛行機雲を眺めていると、まるで自分が井戸の底にいるような錯覚にとらわれた。」
畑中さんの文章は、景色を想像させる。
私の頭の中に住宅と庭の緑で四角く切り取られた明るい水色の空と、細く白い飛行機雲が現れた。そしてこれは滑らかに読み進められるやつだわ。と思った。
この後年月が経つにつれて、四方の一辺がなくなり「コニワ」になったりそこにブッシュが成長して箱庭にもどったりするんだけれど
畑中さんは四辺を囲まれてる「箱庭」状態が好みらしい。
なぜなら大音量で音楽を聞いたり、小説を読んだり、参考書に赤ペン入れたり、インスタントラーメンとコーラの間食を楽しんだりしてその世界で全く一人になることが出来たからだ。
どんな音楽を聞き、どんな小説を読み、どのくらい赤ペン入れたのかは是非作品を読んで見て欲しい。そこが畑中さんらしさを感じさせるので。
そして後半というか終わりのちょっと手前にもまた、私が気に入った一文がある。
箱庭が隣家の解体などでコの字型を飛び越して逆L字型の庭になってしまい、悲しみながらその場所(隙間)でタバコを吸う場面。
「実際にその隙間は、大人が秘密裡に紫煙をくゆらすにはあまりにも頼りなかった。」
秘密裏じゃなくて秘密裡。どう違うのかはこの後調べるけどなんかかっこいい。
煙草は紫煙をくゆらすことによって、ここでも私の頭の中に映像が浮かぶ。箱庭だった場所の隅に立ち、残念そうにちょっとくたびれた感じで煙草を吸い、のぼる煙を追って空へと視線をやる男の人の映像だ。
なんだよ玄華ちゃん。文章上手すぎんか。
と、友人の文章力に取り乱しながら最後まで読み進める。突然のピカチュウの後、煙草を携帯灰皿で消し(小説なら足下に投げ捨てそうだがそうしないところが良い)この一文で終わる。
こうして私の小さな秘密の庭は、消滅してしまった。
やっぱりハコ足るには、閉鎖された六面が必要なのか。私は空を見たいから上辺の一面はない方がいいかな。
以上6作品目の感想でした。
書き終わったらお腹減ってきたので、ご飯作ります笑
次回はついに最後の作品です。どうかのんびりお待ち下さい。