【散文詩】 目をつむるように
目をつむるように 耳もつむることができたら
子どもと共有する時間も空間も
夫の居る家も
これほど苦しくはならないだろう
誰を嫌う訳でもないのに わたしは
迫害されて居住地を追われる難民の心境
エアポッズが人の身体に標準装備だったらいいのに
カスタマイズサイボーグは言う
約束の地へ
モーゼは安楽の永住地を目指す
でも多分場所は問題じゃない
そこをどう、住みやすく開拓するかだ
民たちは集う
日々、DNAに微々たる変化を刻みながら
変異していく
良識も常識も覆しながら 変異していく
目をつむるように
耳をつむれるように
眠りに落ちるように
目覚めたまま思考のスイッチを切れるように
2S.O
31AUG2020
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【評】キャッチしてしまう音も、一つのことに固執する思考も黙らせたい、聴覚過敏おかーさんのひとりごとです。
蓋をしてしまいたい感覚って、ありませんか?
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コロナで外出自粛の時から、自分の居場所を求めて、家じゅうを逃げ回っていて、難民みたいで。
ようやく一部屋を開けて、自分のモノをそこに集める、っていうステップを踏んだ去る週末。
兎に角、モノと向き合って、心の整理もつけられるように。
泣き寝入り、しないぞ。できることを。それでオーケー👌
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