【ティファニー】最高級ブランドの「商品説明文」を読んで、心だけでもセレブになろう!
あなたは、最高級ブランドのホームページを覗いたことはありますか?
そこには、普通のオンラインショップと同じように、商品の説明文が載っています。
しかし、そこは数あるブランドの最高峰。
ひとつひとつの説明文に、とめどない品格とプライドがあふれているのです。
今日は、そんなウルトラハイブランドのホームページを読み漁るのが趣味の私(当然実物には触ったことがない)が、特に感動した名文を紹介したいと思います。
今回はティファニー編
輪っかの両端がティファニーの「T」の字になっていて、その文字の部分にはダイヤモンドが輝いている、プラチナ製のブレスレットです。ローズゴールド・ゴールドのカラバリもあります。
(上記の出典部分がリンクになっているので、詳しく知りたい方はそちらでご確認ください。)
「T」の文字が向かい合うようになっているデザインは、「大切な二人の絆」のメタファーだそうです。
「家族」とも「友達」とも「恋人」とも言わず、「大切な二人」と表現する美しさ。
無限にある人と人との関係を、全て受け入れようとする心の広さが表れているようです。
宿敵やライバルであったはずの人が、いつの間にか最大の理解者となっていたということも往々にしてあるのが人生かどうかは分かりませんが、少なくとも漫画ではよくありますよね。そんな奇妙な関係性にある誰かに送るのも、ティファニー的には全然想定内、ということなのでしょう。
そして、「絆」というワードには修飾節がついています。ここでいう絆とは、「目に見えずとも確かに感じることができる」、そんな絆だそうです。
「目に見えずとも」という表現は、単に絆の強さを言っているだけではなく、「遠く離れていても」「直接触れ合えない時でも」・・・ということを暗示しているようにも解釈できます。
例えば、世界を飛び回っているカリスマ経営者が、年に数回しか会えない家族への親愛の証として、みたいな。
あとは、高名な音楽家である師匠が、世界進出のために旅立つ弟子への餞別にしたりとか。
プレゼントにティファニーを選ぶような方なら、珍しくはなさそうな状況です。
今日も地球のどこかで、このブレスレットがそんな想いを込めて贈られているのでしょうか。
このように、高級ブランドの商品説明文は、読むだけで色々と想像が膨らんできて、込み上げてくるものがあるのです。
それでは、次のアクセサリーに進みます。
これもブレスレットですが、こちらは細かいパーツが繋がったチェーンの形になっています。
曰く、ニューヨークに着想を得たとのこと。
私はニューヨークに行ったことがないのでうまく言えませんが、ニューヨークの何を見たらこれを思いつくんですか!?
アクセサリーの解説文では、「〇〇に着想を得た」やそれに類する表現がとても多く出てきます。
このニューヨークに着想を得たアクセサリーもその一つ。
みんなが見ているものを見て、誰にも真似できない想像を広げていくことができる。それが一流デザイナーの条件なのかもしれません。
さて、次に「絶妙な緊張感、プロポーション、カラーで遊び心を効かせた」とあります。ちょっと難しい表現だったので、英語版を併せて確認してみます。
「遊び心を効かせる」って、「Playing with〜」で表すんですね。勉強になりましたが、使いこなせる気はしません。
日本語だと「遊び心を効かせる」と「絶妙な」がどこにかかっているか不明瞭でした。
英語を見る限り、「遊び心」は緊張感・プロポーション・カラー全てにかかっているのが明らかです。
「絶妙な」の方に関しては、原文にないのでなんとも言えません。翻訳に詳しい方がいたら、コメントで教えてください。
ただ、少なくとも、「絶妙な」が「緊張感」にかかっていることは間違いないはず。
この品に込められた想いを読み解くポイントは、この「絶妙な緊張感」ではないでしょうか。
アクセサリーの構成要素を具体的に指している「プロポーション」「カラー」と異なり、「緊張感」だけは唯一、抽象的な概念だからです。
ニューヨークに行ったことがない私ですが、「プラダを着た悪魔」という映画を見たのでニューヨークの雰囲気はなんとなくイメージできます。
世界中から集まってきた人々、雑多に絡み合うみんなの思考、時間に追われてせわしなく動く自動車とビジネスパーソン、次々と更新される街頭ディスプレイ、移り変わる流行・・・
厳しい世界だと思います。でも、それは辛い場所とは限らない。
世界をリードする街としての希望や、夢を追う信念があふれるオアシスでもある。
そんな複雑な世界観を、「絶妙な緊張感」と呼んでいるのではないでしょうか。
それにしても、あの球体が連なったブレスレットの形、どこかで見たような・・・
そう思っていろいろ調べてみたら、既視感の正体が判明しました。
大阪府のマークでした。
ニューヨークに着想を得た結果として大阪に行き着くとは、この世界は不思議です。
筆が乗った結果、約3,000文字でたった2品しか紹介できませんでした。
この記事をきっかけとして、皆さん自身の「イチオシ説明文」を見つけてほしいです。
どんなハイブランドでも、説明を読むだけならタダ。
それはつまり、誰でも一流デザイナーの魂・・・ティファニーの言葉を借りれば「クラフトマンシップ」に触れることができるということ。
クラフトマンシップにあふれた名文、今日もありがたく読ませていただきます。