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石川野乃花の喫茶オールドクロップ 〜納涼会〜

月1回開催されるコンセプトカフェ的なイベント。
今月はゲストウェイトレスに佐藤遥(ex. notall)を招いての特別開催。
チケット争奪戦を見越して定員も二倍。

例月はコの字型に並べられるテーブルが、二脚一組にした6席分の島が三つと、後方に横並びで一列。

キャパシティが2倍になった場合、業務量は倍以上になる。
通常の三倍の仕事をテキパキとこなす佐藤遥にしても全てはこなせず、注文は佐藤が取るが配膳の一部はワロップのスタッフが代わりに行う形。
(それが願ったり叶ったりのお客さんもいる)

今月のお品書き


夏らしく、鶏だしレモン風味のそうめんと、佐藤遥に因んでロールいなり。

コーヒー以外のソフトドリンクは、ワロップのライブで使用しているドリンクなら頼めるとの事。

焼酎が端境で通常2品目のところ4品目(芋3黒糖1)
割り方は選べる(ロック、ソーダ、水、お湯)
私はアイスコーヒーに黒糖焼酎を1ショット入れて貰う。

ロールいなり は具を混ぜたご飯を、煮含めた油揚げを開いたものでロール状に巻いたものを輪切りにして。
酢飯にはせず、油揚げも薄味。
砂糖と醤油で甘じょっぱく煮含めた油揚げとバランスを取る為の強めに酢を利かせて保存性に振った古典的稲荷寿司の対極にある、淡白なもの。

オペレーションを考えて、切って出すだけにはしていたが、後述するそうめんの工数が膨大で手が回り切らず、察したお客さんが「棒のままで良いです」でオーダー。
1本で2食分+α取れるので、×2の価格にするか、端の余る分を上乗せするかで協議。
「いやいや安すぎるでしょ」と×3に一旦釣り上げてから×2に落ち着かせて「お得感」を演出する佐藤遥の有能さ。

目に涼しい

そうめんは冷製なので、茹でおきにして小分けしておき、スープで解して供するだろうと思っていたら、大量の乾麺が積んである。
まさかの「その場で茹でる」システム。
茹でて水にさらして、氷を浮かべたスープに入れて、具(ロースハムと輪切りレモン)を添え、上からカキ氷。
目にも涼しい。

毎度々々、出来る事と出来ない事を切り分けて、出来るギリギリを攻めて来るが、今月は些か攻め過ぎたように思う。
兎に角、そうめんを茹でるのに工数が掛かり過ぎていた。

まぁ、この辺りも事前準備に掛けられる手間と時間とのせめぎ合いになるので、そこに掛けられなかった分の埋め合わせだったのかもしれない。

石川野乃花は調理と盛り付けに掛かりきりでお客さんの反応を訊くゆとりも無かったが、例月の倍以上にはなったであろう客の注文を捌き切ったのには恐れ入った。

これも入り組んだ注文を整理し、的確に指示を出して場を仕切った裏方あってのことで、事務所/イベント屋としてのワロップの総合力を垣間見られるイベントでもある。

聖徳太子の横の人の髪型

聖徳太子の横の人の髪型愛好会のわたくしとしては、石川野乃花の髪型にだけで1000円の価値はあると思う。
自分で着付けられる石川野乃花の和装は、無理が無く、動いても着崩れず、身のこなしまで含めて美しい。

オイナリサマ

メイド服、ヘッドドレス、ハーフアップの佐藤遥がその辺を徘徊し、注文まで取りに来る。
稲荷寿司の切れ端をつまみ食いして目を瞠り、初めての芋焼酎の臭いに顔を顰め、味見して目を輝かせる。
致死量を超える「萌え」が振りまかれ、実に凶悪。

実に恐ろしいコンセプトカフェであった。

(2024.08.10 記)

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