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石川栄二・今野聡 写真展「コーラとウイスキー」

日曜の日の暮れ方、四ツ谷ギャラリー・ニエプスへ。

リスプリントと言う技法で作品を作っているところが共通点。
同じ技法でも、出来上がるプリントの傾向は真反対。

石膏のような風合いの印画紙を使う今野は白と黒のくっきりした、乾いた感じの仕上がり。
倉庫や押し入れの底から掘り出された数十年ものの印画紙を使う石川は、茶で煮〆たような湿り気を帯びた混沌。

技法の為の技法ではなく、飽く迄も自分の表現したいものを創り出す手段としての技法なので、縛られていない。 使役している。

横一列ではなく、上下にずらしての展示も、五線譜のような石川、舞い上がるシャボン玉のような今野。

来場者があると、見辛くないように位置取りを変える石川。
来場者の波が引くと、「ここが落ち着くんです」とギャラリーの隅の床に座る今野。
似ているけれど、似ていない。 似ていないけれど、似ている。

喧嘩をしないトムとジェリーのような、平和な非対称。

(2022.12.24 記)

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