アイリスパレット vol.1(2023.10.22)
Symdolick が、気軽にがん治療研究を応援して貰おうとするキャンペーン「deleteC」
(癌=cancer の「c」を消すの意)
に呼応して「アイドルでもできること」の一環として始めたライブの一回目。
ゲストは後輩グループの Shupines。
チケット代の一部が寄付される仕組み。
持ち時間はそれぞれ30分
先ずは Shupines から。
前座ではなく、出演者として長めの尺を余すところなく使って、持ち歌が余る。
現体制になって初めてのワンマンライブ以降、良い流れの中にある Shupines。
しみじみ聴かせる曲、かわいらしさを堪能する曲、楽しく盛り上がる曲。
「らしさ」の詰まった30分だった。
入れ替わってSymdolick
二日後の定期公演を控えた、前哨戦のような位置づけのライブ。
日々、上司や取引先からの「要望」や「お願い」に従ったり聞き流したり、泣く泣く残業したりする宮仕えの身で、余暇として楽しみに来ているライブでまで挑発されることを私は好まないが、それを楽しめている人の方が多いようなので、ライブの盛り上げ方としてはそれで良いのだと思う。
挑発するような文瀬朱の煽りも、威圧するようなものではなく、ポンと肩を叩くような軽みがあり、厭味は無いのが良い。
無暗矢鱈にノルマとしての盛り上がりを求めるのではなく、要所々々で手を変え品を変え、客の反応を引き出す工夫も面白い。
二日後の定期ライブが一つの山と言うか、来年の夏に向けて走り続ける Symdolick が飛翔して超えるべき一つ目の生籬なのだけれど、気負いもなく「いつものSymdolick」 として、客を自然に巻き込むライブが出来ていた。
ここまでは良かった。
ライブの後は、「deleteC」について語るコーナー。
もう少し下準備をすべきだったと思う。
キャンペーンの内容について熟知している訳ではない Symdolick のメンバーと、Symdolick が関わる事によってこのキャンペーンを知った Shupines。
「これをやります」ではなく、「こんなこともしてみたい」「こんなことが出来たらいいな」的な、実現可能性の不確かな夢の話に終始。
収録スタジオでもあり、映像を投影する設備もあるのに、それが使われることも無く、決して上手くはない口での説明と、自分たちが何をしたいのかについての漠然とした話。
「正しい」ことについて、敢えて異論は差し挟む人は少ない。
しかし、賛同している訳でもない。
冷えて行く客席の熱気を知ってか知らずか、夢の話で「舞台の上は」盛り上がって終わった。
「アイドルでもできること」についてのアイデアの多くが、客の財布を当てにしたものであった時の客の心理は、財布の紐を緩める方向に向かうだろうか。
義務感ではなく、楽しむ気持ちで参加できて、財布の紐が勝手に緩むようなアレコレを考える力も、実現できる施設や設備を使えて、支えるスタッフもいるのがワロップのアイドルの強みだと私は考えている。
考えたことを、是非形にして欲しい。
(2023.10.30記)