Symdolick ワンマンライブ 〜Gravity〜
諸事多端により、已む無くアーカイブでの配信観覧。
配信開始から開演まで間があり、会場BGMを聴きながら待機画面を眺める。
暫く待つとステージ上のスクリーンに映し出されるメンバーの顔に画面が切り替わり、BGMの音量が上がって客電が落ち、例によって凝ったオープニングムービーからオーバーチュアへ。
メンバーが登場するとともにカメラが切り替わり、その数に驚く。
映像作品としても残す気なのか、正面・上手/下手の3台だけでは無い感じ。
全景を映したいところは引き、メンバーそれぞれの見せ場は寄り、会場雑感が欲しい所は客の顔が写らぬよう雰囲気を抜き取る。
一曲目、「体温」の歌いだしで杏斉ゆかの声が、煽りで文瀬朱の声が、珍しく上ずる。
それだけの緊張があったのだろう。
メンバーのアップになると、それぞれのシンボルカラーが差し色で入ったイヤフォンモニターが目に入る。
大きな会場でのライブに向けての、送り手側の意気込みも伺える。
「みんなで手を挙げろー!」透き通る声で杏斉ゆか。
「LINE CUBE SHIBUYA ! 手を挙げろ!!」短く鋭く文瀬朱。
肩先をチョイと突くような、合図としての煽り。
押し付けがましくないのが良い。
箱に合わせたオケを作ってスピーカーを鳴らし切り、箱全体に響かせる。
メンバーも伸び伸びと大きく歌い、会場を素敵な音で包む。
大きな会場ならではの祝祭感が、配信でも伝わって来る。
「夏恋ノスタルジー」はオケを一新。
人間の奏でる楽器を多めにして、生きた感情の乗った、緩急強弱のあるバンドサウンドに寄せて来た。
BPMも少し落として、疾走感より聴かせる方向に。
地味に金が掛かっている。
配信だと外付けで頑張ったとしても会場には劣るので、どこまで聞き取れているかは分からないが、録り直していないオケもミックスを変えてスネアの響きを強めにしているように感じられる。
元々手数(とオカズ)は多めなので、強めると疾走感が増し、そうする事で、最近の曲とのバランスが良くなる。
その辺りも含め「Symdolick」としての個性を確立しつつあるように感じられたライブだった。
ユニットコーナーは、2人、2人、3人に分けて、それぞれの個性と到達点を提示。
「美しい」「カッコイイ」をそれぞれ体現。
バックダンサーを従えた神咲と能見は、アイドルらしい白い衣装で「かわいい」を体現。
「優しい雨」を歌い上げる石川と葉山。 後半はハモリに回る石川が良い。
新規加入の三人が、それぞれ伸び伸びと藻掻けているのも、オリジナルメンバーが陰に陽に支えているからだと思う。
文瀬と氷ノと杏斉は、ダンサーを交えて激し目のダンス。
杏斉に歌わせない構成で新境地を見せる趣向。
メンバーが引っ込んでダンサーが残ったと思ったら、それぞれ控えめに踊っていた4人が本気のダンスを始める。
間繋ぎを間繋ぎで終わらせない憎い構成。
後半に出て来た新衣装は、伊勢丹の包装紙のような深緑のチェックを基調にしたもの。
意匠は統一しつつ、メンバーそれぞれの個性に合わせて仕立ててあるアイドル衣装の王道。
文瀬朱は今回もホットパンツにソックスガーターだが、上着が燕尾服になっている凝り様。
ターンすると尻尾が揺れる。
GAME → Regret → HANDS
アレンジで曲間を繋ぎノンストップで畳みかける。
曲の担い手との距離が近いから出来得る細かい芸。
アンコールは新曲の「Magical Sweetie」から。
エキゾチックで印象的なギターリフと親しみやすいメロディー。
なんとなく土橋安騎夫っぽさを感じる。
こんな曲が聴きたかったことに、聴き始めて気付く。
明るく話していたところから、「皆さんに、お話ししたい事があります」と切り出す石川野乃花。
心臓に悪い。
内容としては、このライブが決まってから今日までの葛藤や紆余曲折を踏まえての所感。
文瀬朱は「きゃわふるTORNADO 50:50ベット」と表現していたが、このライブの成否にグループの今後を賭けていたとのこと。
言うまでも無く、賭けには勝っている。
きゃわふるTORNADOとして決まったこのライブをこれまでの区切りとして、明日から、ここからががSymdolickとしてのスタート。
「キボウノヒカリ」でダンサーを呼び込んで紹介し、終演。
「またいつの日か、LINE CUBE SHIBUYA を満席にして帰ってきましょう!」
と文瀬朱。
そこから、さらなる高みへ。
セットリスト
オープニングムービー<Let's Get Going.>
オーバーチュア
体温
Psychology
<自己紹介・MC>
トビキリナミダ
夏恋ノスタルジー
これまでここから
ムービー<My Gravity>
ユニットコーナー
「ビスケット」(神咲くるみ・能見雛子)
「優しい雨」(石川野乃花・葉山遥華)
「GIRLS HIP HOP」(文瀬朱、杏斉ゆか、氷ノ黎)
ムービー<pRINCESS>
Magical Sweetie
星空ディスティネーション
<MC(新衣装の説明など)>
ありがとう
innocence
Onion Link
<MC(ハンドクラップを促す)>
GAME
Regret
HANDS
(3曲繋いだミックス)
キボウノヒカリ
<アンコール>
Magical Sweetie
<MC(「皆さんにお話ししたいことがあります」)>
HANDS(アコースティックバージョン)
キボウノヒカリ(ダンサー呼び込み→紹介)
(2021.09.20 記)