スーパーエロチカ展 小日向結衣 × 小塚毅之
ギャラリー・ルデコ6階へ。
ステートメント
給湯室の前ではなく、展示室に入った所に受付。
中が見えそうで見えない感じに置かれたパーティションには、割と攻めたカットがB0でお出迎え(ここだけ撮影可)
西側の高い位置の窓には暗幕を貼って塞ぎ、トイレ前の低い窓の前にはパーティションを置いて直接入る光を遮る。
柱は隘路となる側は使用せず、表になる二面を使用。
中央のテーブルには、今回の写真展の元となった写真集2冊(勿論、購入できる)。
パーティションは仕切りと壁の延長としての使用に止め、作品は壁面に展示。
西側の一番長い壁にはアクリルの小品をズラリ。
在廊していた小塚毅之は「恐縮している3/4スケールの松任谷正隆」と言う感じで、小柄で実直そうなナイスミドル。
展示作品はグラビアアイドルとしての王道的なものから、かなり切り込んだ「そこまで?」と驚くものまで幅広く。
塞ぐように置かれたパーティションのエントランス側に貼られたものも、それなりに攻めたカットではあったが、反対側に貼られたものは更に生々しく攻めたもの。
これを「実直そうな人」が煩悩に衝き動かされて撮っていると考えると面白い。
この「表と裏」をヒントにして作品を端から見直すと、攻めた表現のものが、さり気なく、無造作に混ぜられている。
「王道」「王道」「王道」「覇道」「王道」「王道」「邪道」「王道」
ずらり並んだアクリルの小品も、こんな感じ。
他の作品も然り、流していていると目が蹴躓き、驚く。
写真集として、頁を繰ることによってのみ見えてくるものはあり、そこに紙の出版物としての意味と価値がある。
写真展には、その空間に身を置くことでのみ体感できる視覚体験があり、同じカットを使っても体感できるものが異なる。
B0に伸ばされた煩悩を三次元化したものも、アクリルの小品の群れに混ぜられた危険物も、この写真展でのみ体感できるもの。
それとは分かりにくい、写真展のビックリ箱。
(2024.11.17 記)