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キセキミチコ 写真展 「ダブル・トーキョー」
薄暮の四ツ谷、ギャラリーニエプスへ。
ステートメント
今まで当たり前のように変わらぬ日々が来ると思っていたのに、一日で日常から非日常へと変化してしまう。
それはコロナがもたらしたものだけではなく、 以前から世界の至る所で起こっていた事だ。
大切なことは何か、改めて未来の私達のためにも「考えること」を忘れないでいたい。
そんな不安定な日常である明日と昨日、今日と明後日を一枚の写真に収めたかった。
多重露光によるストリートスナップ。それは、意図せぬ日々の重なり。
私の目に写った”ダブル・トーキョー”
異なる街を重ねて撮った二重露光のフィルムからのプリント。
別々に撮ったネガを重ねるのではなく、同じフィルムを二度撮る。
オートローディングのコンタックスT2なので、完全ではないにしても、二回撮った齣が重なる。
性格や成り立ちとして重なるところがあったり、対照的だったり、無関係だったりする二つの街。
自動露光なのにネガに残る光の痕跡の濃淡には差があったり、どちらの街も写真として面白く写っていないと作品として成立しなかったり、偶然性に左右される部分も多いが、それが楽しい。
重なる事で人も物も文字もぼんやりしてくる。
その中からでも立ち上って来る街の情報。
薄っすら写っている街の痕跡に引っ掛かりを感じて脳内検索が始まり、答えが出ると同時に写真の見え方まで変わって来る。
普段は気にも留めないビルの上の看板の文字だけで、その街の記憶が引き出され、自分の思っていた以上に、街の記憶の中に占める「文字情報」の比重が高いことが分かる。
心地良い脳の疲れを感じつつ帰宅。
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(2022.12.04 記)