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Symdolick presents 『ignition』vol.5
終業後、押取り刀で青山RizMへ。
さながら『血煙高田の馬場』、駅まで走り、駅から走り、なんとか開演前に滑り込む。
SOMOSOMO
衣装に東アジア的要素。
ウェストミンスター寺院の鐘とか、野球の鳴り物のアウトコールとか、耳に馴染んだ音階を織り込んだ、取っ付きやすく盛り上がれる楽曲を多彩に。
意識してなのかそうでないのかは分からないが、歌唱に腹の底から絞り出すような浪曲的な技法(唸り)が入っているのも面白い。
余所者をも巻き込む祝祭。
40分枠なので、名刺代わりの楽曲だけでなく、さまざまな要素を惜しみなく詰め込んだプレゼン資料。
方向性は異なるが、どちらも送り手の「こんなことをやりたい」が一貫しているのが分かる。
2マンライブとして、内容面では成功だったと思う。
Symdolick
葉山遥華が体調不良との事で急遽休演となり、6人。
Instagramのストーリーでの告知で知ったが、終業後にTwitterを開いてもタイムラインを追い切れないので、この告知方法は有難かった。
立ち位置に欠けが生ずるので視覚的な欠落は埋まらないし、重要な歌割も任されているので、別の人が歌えば質としての良し悪しとは別に、感情の部分で呼び起こされる「存在の欠落」もある。
「葉山パートをどうするのだろう?」
考えながら見ていたのだけれと、別の誰かが歌うのではなく、全てではないにしても歌割そのものの組み換えも併せて行われていた。
「星空ディスティネーション」の歌いだしは、杏斉ゆか。
あまりにも素晴らしく、引き笑いが止まらなくなって暫く写真が撮れなかった。
笑うしかない。 そして泣く。 なんなんだアレは。
欠落を単なる穴埋めでは終わらせない。組み替えてそれ以上の物を提供すると言う発想がどうかしている。
そしてシレっとやってのける。
私は煽りに呼応して盛り上がる式の楽しみ方をしないので、しつこく煽られると却って興が削がれる事も屡々あるのだけれど、文瀬朱の煽りは程が良く的確て、見ていて心地良い。。
少ない手数で諭すように。 それでいて効果は覿面。
教唆煽動のツボを心得ており、存在そのものの説得力を上手く利用している。
MCで他のメンバーが喋っている間に、目の合った自分のファンにコッソリ餌をやる能見雛子。
やるべきことはきっちりやりつつ、客席全体も大掴みに見ている。
熱い心と醒めた眼差し。
色々と背負い込み過ぎ無くなった事で、気負いに掻き消されがちだった「かわいらしさ」が其処此処に見られるようになった石川野乃花。
重すぎず、軽すぎず。
Symdolick の中でも撮影難易度(実物通りに写せない)の高かった神咲くるみ。
ここのところ打率が高く、漸く実物に近い所を切り取れるようになってきた。
こちらの技量に問題があったのは前提としてあるが、頑張り過ぎないことで、「頑張っている顔」になっている時間も減ったのだと思う。
未だ謎の多い氷ノ黎。
同じ動きを遅滞なくこなしているので、相対的には同じ速度で動いている筈なのだけれど、見た目の絶対速度は低く見える。
時空が歪んでいる。
前回は正直なところ水が合わなかったように感じなくも無かった『ignition』と言う2マンライブ企画だったが、今回は異なる文化が面白いぶつかり方をしていたと思う。
(2021.09.11 記)