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夏井るな 撮影会〜Runa's collection 2024 Autumn~

お洒落に関して、考証を突き詰めるのではなく、エッセンスを汲み取った上で「身の回りにあるもの」を使って演繹する夏井るな(Adorable Punch(アドラブルパンチ))の、「夏井るな なりの秋の装い」(※ほぼハロウィン)を撮る撮影会。

発表されたテーマは

1部:憧れのジュース
2部:黒い涙のフランス人形
3部:あなたの心臓は私のもの

血の匂いのする3部は避け、フランス人形に心惹かれて2部に申し込み。
行ってみるまでどれくらい広い(狭い)のか見当も付かず、24mmから500mmまでカメラバッグに詰め込んで現場へ。

会場は若林のスタジオ・ネロリ。
烏山川緑道沿いの古民家リノベーション物件。
古民家と言っても、柱には規格材を使い、梁は天然木の過渡期の様式。
おそらく、昭和30年代築。

スタジオとしての玄関は烏山川緑道に面しているが、暗渠化されたのは1970年代なので、本来の玄関は反対側なのだと思う。
天井板を取っ払って屋根裏剥き出しにして天窓を付け、壁だったところにも採光用の窓を作って光を回している。

天窓からの光が回る
型板ガラス「風」の窓

なので雲の流れで光の状態は変化するのだけれど、その日、その時、その場で撮った写真を撮りたい私にとっては、作った定常光より好ましい。

内部は思ったより狭い。
狭いとどうなるかと言うと、順撮りの際に引きで撮りにくく、脇撮りの時の立ち位置が限られる。
撮影会慣れしていない人が多いので、誰がどこから撮っているのかとかそう言う事は気にせず、誰かが撮っているのを近くから「眺めて」いる。
これが壁になる。
そこは割り切って撮るしか無いので、隙間を探して切れる構図を考える。
この「考える作業」そのものが楽しくはあり、夏井るなを眺めていたくなる気分は分からないでも無いので「どうにかしてほしい」とかそう言う婉曲な厭味などでは無いので為念。
ライブ撮影の時に後ろの事を全く考えていない人は撮影会でも振る舞いが同じで、そこは笑わせてもらった。

フルサイズのD700には、28mm/f1.8、100mm/f2、500mm/f8を。
引きで撮る用の28mmは或る程度使ったが、100mmは中途半端、脇撮りクローズアップで500mmを多用。

28mm/f1.8
100mm/f2
500mm/f8

APS-CのK-5には、脇撮り用で180mm/f3.5と近接用の50mm/f1.8を持って行ったが、180mmが脇撮りには短く、白兵戦用の50mmを多用。

50mm/f1.8(※換算75mm)
180mm/3.5(※換算270mm)

同じくAPS-CのEos kiss には脇撮り用の200mm/f3.8と「フランス人形」用のフランス製28mmを。
どちらも帯襷であまり使わず。

28mm/f3.5(※換算42mm)
200mm/f3.8(※換算300mm)

試行錯誤を重ねた結果、順撮り白兵戦にはAPS-Cの50mm(換算75mm)、脇撮りにはフルサイズの500mmと言う極端な運用。
まぁ、私らしいと言えば私らしい。

キヤノンの描写がカメラの設定を弄っても「キヤノンの色」になってしまうので、これにしか付けられないレンズの為にやむなく使う事はあるが、やはり「私の写真」にはならない。
今回も途中で嫌気が差してニコンとペンタックスに絞った。

それでもも、モデルが良いので「写真」にはなる。

夏井るなは、組みあがった物を買ってきて着るのではなく、自分で選んだ個々のパーツを組み合わせて「着こなし」を見せてくれる。
今回はメイクやウィッグも含めて「黒い涙のフランス人形」。

撮られる側に世界観がある場合、撮る側として何か演出を加えるより、振る舞い方も含めて委ねた方が良いと私は考えている。

私にはそもそもあれこれ指図して描くような世界観の持ち合わせが無いので、例によってノーアイデア、ノープラン、ノーディレクション。

「よろしくお願いします」「ちょっと寄ります」「カメラ替えます」「引きます」「ありがとうございました」

引き出しに何もないのに無理に指示を出す必要も無く、流れで撮るだけでも写真にはなる。

撮られる仕事にも対応できる人なので、撮影会以外でのモデルの仕事など、活動の幅が拡がると嬉しい。

(2024.11.09 記)

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