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Symdolick 定期公演 歌舞音曲 Vol.8

Symdolickの定期公演も回を重ねて8回目。
場所をO-nestに移し、ゲストに comme moi と 月に足跡を残した6人の少女達は一体何を見たのか… を迎えてのスリーマン。
理由は後述するが、スリーマンと言うより、2.5マンくらいな感じではあった。

タイムテーブルは変則的に

18:40 OPEN
19:10 START
19:10-19:20 Symdolick
19:20-19:50 comme moi
19:50-20:20 月に足跡を残した6人の少女達は一体何を見たのか…
20:20-20:50 Symdolick
20:50-22:10 特典会

前座で出て来た Symdolick が場を温めて、ゲスト2組。
最後に Symdolick が〆る構成。

comme moi

中原淳一のイラストから飛び出してきたような少女四人。
ポニーテール2人、金髪ボブ一人、ミドルボブのハーフツイン一人。
フレアスリーブだったりパフスリーブだったり、一寸古風なデザインの、ドレスのようでありつつ、上下セパレートになった衣装。
サウンド・オブ・ミュージックの「カーテンで作った服」を思い出す。
足元はピンクのエナメルのストラップパンプス。 これも良い。

四つ打ちの曲が矢鱈多い。
ギターの音はほとんどせず、ブビラフォンやピアノ、オルゴールやオルガンなどの音が主旋律を奏でる、鍵盤屋の作ったもの。

(Youtubeの公式チャンネルを見ると、最近の曲はギターメインのものも多いようだ。)
ドラムンベースを利かせて盛り上げつつ、落ちサビなどの聞かせどころでは控えるメリハリ。 ボーカルの音が立つ。
聴かせる曲でありつつ、どう盛り上げるかについて技巧を凝らしてある。
Especia あたりを好きだった人に響きそう。

「踊りましょう?」
「皆さんも、良かったら踊ってください。」

陽凪響子の、提案型煽り。 上品。

「文化祭や合唱コンクールでクラスが纏まらないとき、普段は目立たない女生徒が切々と訴えると覿面に効く。」
・・・と担任から学級運営の裏技的テクニックを聞いたことがあるが、陽凪響子の言葉には、それに近い、謎の説得力がある。

月に足跡を残した6人の少女達は一体何を見たのか…については後述。

Symdolick

二た組の後に出て来てからの後半が実に良かった。
凝った楽曲を聴かせつつ、ドラムンベースを唸らせる comme moi 。
歌えるメンバーの声の強さにぶつけてかぶせるように楽器の音を迸らせるツキアト。
Symdolick は全体のバランスか良く、オケも歌も聞き取れて、耳も疲れない。
盛り込むだけでなく、刈り込むことも出来る、大人の仕事。

セットリスト

(前半)
1. JOKER,ACE
2. Regret

(後半)
1. Symdolicxxxxx
2. 体温
3. Psychology
4. Caligula
5. magicalsweetie
6. ENDLESS LOOP

ギラギラしたやる気を生で出しつつ、雑にはならない、破綻もしない。
「伝わるライブ」だった。
言霊の乗った歌声は、聴く者の心に響き、共鳴させる。
盛り上がる為の盛り上がりではなく、演者と観客が呼応した高ぶりが噴出する事による盛り上がり。

これが見たい、その場に居たいから、紆余曲折ありつつ、私は Symdolick のライブに足を運んでいる。

月に足跡を残した6人の少女達は一体何を見たのか…

ソロパートが飛んで歌が途切れたと思ったら、トチったメンバーがヘラヘラ笑っている。
メンバー間のやる気較差が激しく、歌も振り付けも丁寧なメンバーは至極丁寧で、雑なメンバーは横着な振る舞いが目に付く。
一生懸命やって100に出来るメンバーは一生懸命やって100にし、鼻毛抜きながらでも100に出来るメンバーは100にはしているが手を抜く。

楽曲は良く出来ているし、オケの造り、楽器の鳴らし方も巧い。
歌の上手いメンバーが揃っていて、入れ代わり立ち代わりソロを取って歌い上げるので、見応え聴き応えもあるにはある。

しかし、一人雑な事をするのが混じっていると、全体として雑に見えてしまう。
ダンスにもキレがあり、歌も上手いので任されている聴かせどころも多いのだけれど、如何に上手くても「まぁこんなもんだろ」的な雑な仕事を見せられたこちらは、どんどん醒めて行く。
グループとしての内部統制に問題があるように外からは見えるが、それで回っているならそれで良いのだろう。

スリーマンと言っても、寄席鍋的対バンライブのように、いつもの客相手にいつものライブをしてお仕舞い。
演者も客も、他の出演者には興味を示さない。
良く出来てはいたが、金を積まれても二度と見たくないグループであった。



閑話休題
comme moi の四つ打ちで押す構成は聴き応えがあったし、陽凪響子はまさに「奇貨」であった。

Symdolick は Symdolick として気持ちの伝わるライブが出来ており、月末のワンマンにも期待は高まる。

いろいろありつつ、差し引きではプラス。

(2023.06.13 記)

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