オタクの偶然は必然でこれは恋
今年に入って2次元の声優界隈からジャニーズに転がり落ちた。
きっかけは些細なことで、わたしの中の需要と、テレビからの供給がたまたま、本当に偶然、一致しただけのことなのだが、まさかこんなに深いところまで踏み入るとは自分でも思わなかった。
推しとの出会いは偶然で奇跡であり、それでいて必然で運命のような気がする今日此頃。これはひとつの「恋」なのかもしれない。
ここに来る前の話。
2019年の冬、更に言えば明けて2020年1月の頭までわたしは2次元・アニメの世界にいた。というかまあ今もいる。その中でも「声優」というものにどっぷりハマっていて、何人かの推しに出会いながらかれこれ7年ほど声優オタクというものをしている。
正直、ジャンルも推しも転々としていたが、一貫してこのジャンル・この声優を推す、と一途に応援するスタイルは変わらなかった。というか器用に満遍なく応援するということが出来なかった。
ただ、数年は同じところに留まるのだが、推しに対する熱が冷め始めた時、その熱が冷え切るまでが秒速で、その間に次の推しに出会い、そこから熱を上げるまでも秒速という、なんともわたしの恋愛にも似たようなスピード感である。良くない。
声優オタクをする上で、北海道という試される大地に住まうわたしの壁は「遠征」で、特に今の推しはまだ若手ということもあり、アニメへの出演よりも遥かに週末のイベント・ライブが多く、現場がわたしにとっての主なヲタ活の場となっていた。これがまたわたしの首を絞める。主に財布的な面で。
とはいえ、先に述べたようにこの時のわたしにはこの推ししかいないので、遺伝子からオタクなわたしは最早脊髄反射のレベルでチケットを買っては現場に通った。最初こそ1ヶ月に1回のペースだったのだが、気がつけば多い時で4週連続で飛んでいたこともある。
「推しは推せるときに推せ」をモットーにオタクをしているわたしにとって、そのひとつひとつの現場を逃したくなくて、何かに追われていたのかもしれない。その甲斐もあってか今の推しには認知をもらった。接近で顔を見れば名前を呼んでくれるし、SNSでは私信もくれたし、大きな会場でだって気がつけばファンサやレスをくれた。
しかし、今の推しにも数年のペースで巡ってくる謂わば「倦怠期」のようなものがきた。たぶん、わたしが応援するペースも忙しなかったのだが、それよりも推しの仕事の広がり方が圧倒的に早かった。
声優と謳いながらも昨今の仕事の幅は広く、若手であればあるほどまるでなんでも屋のようで。そんなわたしも彼の歌う姿に惹かれて推し始めた。いつか自分自身の歌を歌える日が来ますようにと、たくさんの人の耳に届きますようにと、各所のアンケートに名前を入れて感想や意見を発信し続けた。
推し始めて約2年経った夏、その夢は叶った。今もその瞬間を鮮明に思い出せる。推しを前にして相方と抱き合って泣いた。
そこからが早かった。思い描いていた未来が次々と現実となっていった。たぶん、それが栓の抜けた瞬間だったのかもしれない。わたしも気が付かないうちにゆっくりと、今まで募らせてきた、自分の中に溜めてきた思いのようなものが流れ出していったのだと思う。
アーティストとしてデビューが決まってからも変わらずお金をかけて現場に足を運んだし、当然デビューシングルもたくさん予約して発売日にはそれを引き取るためだけに日帰りで遠征もした。以前と何ら変わらないオタクでいたつもりだった。
その一方で、一番に掲げていた夢、❝アーティストデビュー❞という目標を達成したことでその先が見えなくなった。真っ暗になったのではない。たぶん、眩しすぎたのだと思う。これから先、彼の前に広がっている世界が光溢れたステージであることに間違いないのだが、わたしはここに辿り着くまでに思いも、時間も、言ってしまえばお金も、色々と掛け過ぎてしまったが故に、息切れしてしまったのだ。デビューが、それがゴールであると、応援するうちに自分の中で勝手に設定してしまっていたのだ。
わたしの性格上、気持ちの変化に気がついてからは早かった。ひとつのマラソン、長距離走を走り終えてしまったわたしは、人知れずクールダウン期間を過ごしていた。これが2019年12月末、昨年の年末の話だ。
と、ここまでがプロローグ。
最後まで目を通してくださった方はお気付きかと思うが、界隈を掛け持ちしているなんていうのは最早建前でしか無く、今までの自分のために余韻を引きずって、何かあったときのための保険にしているという最低極まりない推し方である。自覚はある。
それでも、オタクとして平穏無事に生きていくためには今の推しも切り捨てられないのだと学んだわたしは、今日も心の片隅に彼の名前を残したまま自担への愛を綴る。
(本当はTwitterより深く、はてブロよりは短く、気楽に書き残すために使うつもりで立ち上げたnoteである)(めちゃくちゃ重い)(次回に乞うご期待)(初めての投稿ということでヘッダーお借りしましたありがとうございました)