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常に補給線を確保する - 『道は開ける』デール・カーネギー


金曜日の夜、久しぶりに、デール・カーネギー著『道は開ける』を読み返しました。

会社に入りたてのころ、高知への1人旅をしたときに、とても親切にしていただいたご年配の方から、

「仕事で悩んだら、『道は開ける』を読むと良いよ」

と教えていただいた本です。


最も印象に残っている箇所



悩みが多いころ、この本を何度読み返したことだろう。

私が最も好きな箇所は、最後にある「私はこうして不安を乗り越えた三十二の実話」の中の、ジーン・オートリーの話です。

オートリーは成功を収めたカントリーミュージックのスターです。

彼の成功の背景には「常に補給線を確保してきた」ということがあります。

新しいことを始めるときには、いざというときの切り札を用意しておくことだ。軍事の専門家であれば、戦闘の第一原則とは補給線の確保であると言う。

D・カーネギー; 田内 志文. 新訳 道は開ける (p.404). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.



生きた補給線を確保しておく


彼は不安定な収入の家庭に生まれ、常にお金に悩まされていました。

やがて、鉄道の仕事を得て、空いた時間に電信技術を学び、鉄道の補欠交換手に採用してもらうことになります。

その後、歌手として挑戦し続ける中でも、必ずバックアッププランを持って行動していました。

私には、鉄道の仕事は経済的に安定しているのだという気持ちがあった。だから、いつでもその仕事に戻れるよう道を確保しておいた。そしてその補給線は、私が新たにもっといい職に就くことができるまでは、絶対に切らないように気をつけていたのだった。

D・カーネギー; 田内 志文. 新訳 道は開ける (p.405). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.


その後、歌手として成功をおさめ、カウボーイ映画にも出演して大成功をおさめます。

ですが、そこでも補給線としての鉄道の仕事を持っていることが、彼を悩みや不安から守っていたようです。

今の私は年に十万ドルと、映画の利益の半分を自分の収入にしている。こんなことが永遠に続くわけではないのは知っているが、そこに不安はない。なにかが起こって財布がすっからかんになろうとも、そのときはオクラホマに戻ってフリスコ鉄道で働けばいいのだ。私には、生きた補給線があるのだ。

D・カーネギー; 田内 志文. 新訳 道は開ける (p.407). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.



心の平穏を保ちながら挑戦する



新しいプロジェクトや新しい挑戦に取り組むときに、リスクを理解し、万が一の時に備えて安全策を講じる——その姿勢は、日々の仕事や生活においても大いに参考になります。


人生においてリスクを取ることは大切ですが、同時にしっかりとしたバックアップがあれば、より大胆に行動できるし、心の平穏を保ちながら挑戦できる。これは私にとってとても共感できる部分です。


私は週末に、平日に取った様々な内容のノートを読み返し、追記したりハイライトをしながら考えを整理しています。


今後仕事で直面するであろうリスクや課題に備え、頭の中を整理しながらノートに書き込む。自分に都合の良いように考えない。最悪の事態を想定しておき、事前にできる限りの対処を考えた上で挑戦する

これが私にとって、次週以降に向けての「補給線」を確保する準備であり、精神的な安定をもたらしてくれているのではないかと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。良い一日をお過ごしください。

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