やばい人たちの団体、Vegan。笑
面接の日。
少しドキドキしつつ、庁舎へ向かう。
案内されて会議室に入るとそこには
町長と副町長、担当の課長がいた。
応募書類を見ながら、いくつかの質問があり、
書類に何を書いたのかなんて
とっくのとうに忘れていたので
かなり、いや、マジで焦った。
それでも、話をしていくうちに
あちら側の「懸念」というものが
ぼんやり伝わってきた。
当時、「発酵Vegan料理研究家」として活動していたわたし。
いろんなところでVeganの料理教室を開催したり
家で「おうちサロン」などをしていた。
もちろん、それも履歴書に書いてあるので
SNSも含めて検索してみたんだろう。
先日の町長との話の時にも
「Vegan」の説明をしたけれど
イマイチ伝わってないらしく
ただ、単に「大豆が好きな人」
くらいに受け取っていたようだ。
今ではかなりメジャーになった「Vegan」だが
当時の地方の認識はこんなもんだったと思う。
改めて「Vegan」をググってみたら
やばい人たちの集団らしい、という訳だ。
そんな団体に所属している危険な思想の人を
行政で雇うことは危ない!
そんな風に考えていたのかもしれない。
副町長からの質問がやたらと「Vegan」のことに固執していた。
確かに一部の「Vegan」の人たちには
過激な考えの人もいる。
わたしも元々アニマルライツからVeganになったので
「肉食うやつは生きている資格がない」
と考える人たちをたくさん知っている。
(ほんの一部の人たちよ〜)
でも、わたしはそんなことを考えるよりも
美味しい「Vegan料理」を広めたかった。
肉や魚や卵などの動物性の材料がなくても
ボリュームもあって美味しい野菜料理が作れるのだから
アレルギーがあっても無くても
肉を食べても食べなくても
一つの食卓を囲んで笑って話し合える
そんなごはんが作りたかったし、
そんな場所を作るためにずっと活動してきたのだから。
まあ、わたしとしては、そこに拘られて
採用されなければそれで「ご縁」が無かっただけだし
「ここ」に拘る必要もないので
面接を終えて、ただ、ほっとしたのを覚えている。
その後、Aさんに
「先日見た空き家の中を見られますが見てみますか?」
と言われ、即答したわたし。
空き家に着くと隣に住む大家さんが待っていた。
実は、わたしの中でこの空き家の部屋の間取りや
中の「感じ」を妄想していた。
自分の「理想の間取り」「理想の部屋の感じ」
を、日々妄想し望み続けていたのであった。
ドアを開けて中に入ると
まさに理想通りの間取り。
理想通りの部屋。
もちろん、古い家なのでショールームみたいじゃないけれど
※部屋は3つ
※和室がひとつ、他は洋間
※リビングは部屋の中央に
※台所は広め。
※寝室は角部屋
※レトロで可愛い照明
など、ほんとに理想通りの田舎の家だった。
東京へ帰って、少しして採用の通知がきた。
仕事始めは3月1日。
慌ただしい毎日が始まる。