ゲイであることを自覚したのはいつ? 何故カミングアウトしたの?
今回は愛娘(トメ)のことではなく、自分自身のことを書こうと思う。
僕はもう何年も前からゲイであることを開示していて、
いわゆる“オープンリーゲイ”だ。
noteでは本名は明かしていないけれど、
プライベートでもビジネスでも、
僕はゲイであることをカミングアウトしている。
僕の周りにいる人で、僕のセクシュアリティを知らない人は、
ほぼほぼ皆無な気がする。
おじいちゃんだけには言えずにいるけど、
両親も妹も、妹の旦那さんも、従妹も、皆、知っている。
今では自己紹介の段階でカミングアウトしても、
「あぁ、そうなんですね」と受け入れられることが多い。
それでも、数年前は驚かれることも少なくなかった。
「え? どういうこと?」
「テレビでしか聞いたことないんだけど」
という反応も多かったように思う。
そんな中で、よく訊かれたのは、
「ゲイであることを自覚したのはいつ?」
という質問だった。
僕は過去には、女性ともお付き合いをしていたから、
それを知っている関係者からは、疑問が寄せられた。
結論から言えば、幼い頃から、自覚をしていた気がする。
人を好きになる感情を初めて知った時、
具体的に言えば、「この人のことをもっと知りたい」とか、
「この人、なんか、いいな。一緒にいたいな」とか、
そういう想いを抱く相手対象が、自分の場合、
異性に限らないという事実を、僕は幼稚園の頃から知っていた。
「友達として好き」「恋愛対象として好き」
この違いは、幼稚園生だった当時はわからなかったけれど、
10代になり、思春期を迎え、具体的に“付き合う”という関係性や、
その関係性に伴う行為が現実味を帯びてきた頃、
「相手が女性でも男性でも、僕は相手を同じくらい好きになる」
という実感を持っていた。
その頃は、誰にも言わなかったけど。
『バイセクシュアル』という言葉を、こっそり調べて、
「自分はこれかもしれない」と噛みしめていた。
「女性とお付き合いしていた頃も、男性が好きだったのか?」
そんなことを訊かれることもあったのだけど、
今でも、その答えは、いや、その質問の意図が、よく分からない。
女性だから、その人と付き合ったわけではなくて、
その人が好きだったから、その人と一緒にいたのだから、
その頃は、他の女性も、男性も、目に入らなかった。
…言葉にすると綺麗事のようだけど、それが本音だ。
20代に入ってからは、女性とも付き合い、男性とも付き合った。
どちらがどう、というのは、僕の中にはあまりなかった。
好きな人と一緒にいる、という点では、
異性愛者も同性愛者も、あまり関係ないのではないだろうか。
『LGBT』という言葉を知って、勉強するようになって、
「ほらね、別に、特別なことではないでしょ?」と、
幼稚園の頃から知っていた自分の感情と考え方に納得をした。
『トランスジェンダー』という人がいることも、
そもそも周りにいる人たちを通じて知っていたし、
同時に、恋愛対象として、他人を好きにならない人がいることも分かった。
でも、定義を知り、理解を深めることは、とても大事だ。
自己理解も進むし、他者理解も進む。
『SOGI』という考え方にも、大きく頷いた。
「同性愛って気持ち悪いよね」
「ゲイってよく分からない」
「LGBTが増えると日本人口が減るんでしょ」
色んなことを言われることを想定していたし、
事実、不快なことを言われた経験もあるけれど、
それでも、ゲイであることをオープンにしたのは、
オープンにした方が楽だと思ったからだ。
「彼女いるの? いないの?」
「誰か紹介してあげようか」
「合コン、しようよ」
「どうして、いつも違う女の子といるの?」
そんな単純な質問を、うまく交わすのも面倒くさくなって、
1つ嘘をついたら、その何倍もの嘘をつかなければいけないことを、
僕は知っていた。
それが煩わしくて、自分らしさを自己開示したら、
思ったよりも、すんなりといくことが分かった。
だから、伝える相手を増やしていった、というだけだ。
そして、カミングアウトすると同時に、
どうやら自分はもうバイセクシュアルではなく、
ゲイなんだろうな、と思うようになった。
それでも、もしかしたら、また女性を好きになるのかもしれないけど。
旦那さんと出逢った時、よくわからないけれど、
「あ、この人と、ずっと一緒にいるかも」と確信した。
出逢いの数時間後には2人で夜道を歩きながら語り合って、
日の出とともに「また近いうちに会いたい」と約束して、
次の日にも、その次の日にも会うようになった。
1か月後には「一緒に住まない?」という話になって、
3か月後には実際に同じ屋根の下で暮らすようになって、
そのまま7年、8年が経過した。
その途中で、愛娘(トメ)が家族に加わって、
一緒に暮らす日々を過ごしている。
そうそう、そんな今の状況を記録したくて、
noteのアカウント名を2men1doggirlとしたのだった。