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【Don't be square④】キーエンスってって何が凄くて儲かっている?

久々のnote更新です。

おかげ様で社会人二年目の上半期は営業として成果を上げられるようになり、初の個人表彰も頂きました。
素直に会社に貢献できていると実感できて嬉しいですし、自身のビジネスパーソンとしての成長も実感できてモチベーションに繋がってきています。
今の会社にあとどれほど在籍しているかは定かではありませんが、まだまだ知識や経験を蓄えていきます。

今回は最近気になったニュースを深堀する回にしていこうと思います。
取り上げるのはキーエンスの下記の記事です。

高収入で有名なキーエンスの記事。
時価総額が高い、収入がよい、営業が強いと有名ですが、具体的にどのような取り組みをしているのか、他の企業でも取り入れられる要素はあるのか、そのあたりを考えていきます。

1.キーエンスに関する記事のサマリー

記事のサマリーは下記の通り。

・工場センサー大手、キーエンスの2021年4~9月期の連結決算は、純利益が前年同期比68%増の1417億円と3年ぶりに過去最高
・強みは56%と高い営業利益率を背景に、給与を通じ従業員へ投資していること(平均年収は1700万円台と10年で3割増)
・同社は生産ラインに取り付けて生産状況を確認したり製品を検査したりするセンサーなどを手がけるため、工場の自動化需要を背景に成長中
・時価総額は16兆円弱と上場企業で3位のまで上り詰めた

上記のように絶好調のキーエンスですが、なぜ高収益が実現できるのでしょうか?

2.キーエンスの競争優位のポイントは?

1.商品力の高さ
・センサー等の製品は7割が高い独自性を持っている(高い技術力)
→模倣困難性が高いため、高い利益率を実現

2.徹底したコスト削減
・連結従業員数は約8000人と競合のオムロンの3分の1(人件費を抑える)
・生産は工場を持たず外部委託(固定資産を持たない)
・販売は代理店を通さず直接営業をかける(代理店へのコミッションの削減)
→原価を低減し、販管費を抑えることで高い利益率の実現

3.営業体制の強さ
・顧客への密着で得たデータ分析に基づく提案営業
└具体的には、顧客の工場や倉庫に足しげく通い、悩みや自社製品の活用事例を調べ、社内の開発担当者と共有し、素早い顧客対応、提供価値向上に繋げている
→「連絡するとすぐ駆けつけてくれる」という営業への高い信頼性が、競合へのスイッチングを許さない

4.給与水準の高さ
・高い利益率を背景に、従業員の前期の平均年収は1751万円。日経500種平均株価銘柄の従業員100人以上の企業で首位となっている
→ 優秀な人材の獲得と、営業の高いモチベーションに繋がっている

3.他の製造業で真似していきたいポイント(営業としてのヒアリングのポイント)

①商品力(技術優位)
・開発している製品のどこが独自性の高い技術になるのか?
・自社の強みとなる技術を棚卸できているのか?
・競合の製品との差別化ポイントはどこにあるのですか?
・その技術は模倣されるのが難しいものなのか
・その技術は他にどのような分野使っていけそう

②コスト削減(原価低減と販管費削減)
・各事業、部署の人数は適切か?
・自動化、アウトソースできる業務はないか?
・本当にそのポジションは採用する必要があるのか?業務委託や派遣、社内異動で賄えないのか?
・自社で研究開発投資をするより、M&Aで技術力のあるスタートアップを買収した方がスピードと確実性が高いのではないか?
・その製品は本当に自社で作る必要があるのか?設備の増設は本当に必要なのか?外注した方がコストを抑えられるのではないか?
・販売代理店や卸を使ってコミッションを支払うのと、自社で営業を抱えるのとどっちがトータルのコスト、顧客満足度向上に寄与するのか

③営業体制
・想像による仮説ではなく、事実(数字)に基づく仮説構築ができているのか?
・顧客から得た情報を一営業だけではなく、マーケティングや開発にも共有出来ているのか?
・自社のサービスやプロダクトが顧客にどのように使われているのかを理解しているのか?(用途開発につなげる)
・顧客の要望を素早くプロダクトやサービスに反映できているのか?

④給与水準
・営業活動が上手くいっていないのは本当に営業力の低さや営業戦略だけに起因しているのか?従業員のモチベーションが上がるような仕組みづくりやインセンティブの設計に問題はないのか?
・優秀な人材が集まらないのは採用戦略だけでなく、給与水準の低さや給与を上回るインセンティブ(会社のブランドや得られる経験)が整備されていないからではないか

4.まとめ

キーエンスの高い利益を生み出す会社の体制や事業の仕組みは、企業の生み出す「付加価値」に対する人件費の比率を示す「労働分配率」を高め、優秀な人材が集まり、より強固な事業体制や顧客満足に繋がり、また従業員の待遇が上がりと、良いサイクルが回り続けます。
逆に不採算事業を抱え続けたり、差別化が難しい領域に投資続けたり、自社内製にこだわり続けると、低収益体制に陥り、人材の獲得や研究開発投資がままならず、負のサイクルが回り続けます。

低成長にあえぎ、従業員の給与も伸び悩みが続く日本においてキーエンスから学べることが多々ありました!

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