過敏性腸症候群 13年目
今日も、病院に行ってきた。
いつも通りに、薬が処方された。
この生活、一体いつまで続くのだろう…?
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、その名の通りである。
ストレスや緊張等に、「腸」が「過敏」に反応してしまう。
その結果、便秘や下痢 (※混合型の場合もある) を繰り返し、
悪化すれば、日常生活にも支障をきたす。
発症のきっかけ
私の場合、発症は中学2年の頃だった。
授業中に腹痛を感じ、我慢ができなかったため、後ろの席から前の席まで行って、担任に「お腹が痛いのでトイレに行ってきてもいいですか?」と声をかけた。
背中に同級生の視線を感じながら、とてもドキドキしたのを覚えている。
担任は、しばらく黙ったままだった。
「いいよ!行っておいで!」というようなスッキリした返答ではなく、
「…………………はい。」と渋々okをしてくれた感じ。
その表情は今でも鮮明に覚えている。
もちろん、私も授業中にトイレに行くことに、申し訳なさを感じていた。
いけないことだと思っていた。
だからこそ、私の中で、
「もう二度と同じようなことがあってはいけないよね!」
そう思うようになっていった。
だけど、そう思えば思うほど、
「もしも、また授業中に腹痛がきたらどうしよう…」
「またトイレに行くのか?って思われるよね?」
「周りの友達からも変な風に思われるよね?」と考えるようになってしまい、そのプレッシャーや緊張から、毎朝腹痛に襲われるようになった。
症状
私の症状は、下痢型である。
精神的ストレスを感じたり、緊張すると、途端に下痢になってしまう。
教員をしていた頃も、頻繁にこの症状に悩まされていた。
修学旅行の引率をするときも。
生徒の定期試験監督をするときも。
試験範囲が終わるか終わらないか、追い込まれている授業のときも。
その症状は本当に辛いもので…
トイレで何度も「大丈夫、大丈夫、大丈夫」って声をかけたこともある。
緊張を感じる場面って、人生の中で、誰もが経験すると思う。
だけど、私の場合はそれを自分でコントロールすることが難しい。
コントロールしようと思っても、腸は正直に、過敏に反応してしまう。
病院のこと
あまりにも症状が酷くなってしまい、日常生活を普通に送ることが難しくなり、私は病院を受診することに決めた。
4か所ほど病院を転々とした。
この症状に長年苦しんでいて、人生を思うように楽しめない。
友達といるときも、学校にいるときも、常に不安がつきまとう。
「周りに迷惑をかけるのが怖い」そう思っていた私は、恋人を作ることにも、積極的にはなれなかった。
「なんとかしたい」そう思い、すがるような想いで病院に行っても、
「睡眠をしっかり取ろう」「食事は3食しっかり」と日常生活の助言。
それを意識して生活しても、状況はますます深刻になっていった。
もう日常生活を意識するだけでは、手に負えないレベル。
そこから病院を変え、また病院を変え、
最終的に私がたどり着いたのは、心療内科・精神科だった。
治療
現在も、病院には定期的に通っている。
毎日薬を飲み続ける生活。
セルトラリン錠を服用し始めてから、以前よりも症状は落ち着いた。
もっと早くに、精神科を受診していたら…という気持ち。
効果が出るまでには、ある程度の時間がかかるから、
半年くらいは飲み続けることになるみたい。
どれだけ大変でも、時間がかかっても、やれることは全てやろう。
私はそう思っている。
この病気が教えてくれたこと
過敏性腸症候群が辛すぎて、私は今でも「なんでこんな病気になってしまったんだろう…」と思ってしまうことがある。
ただの腹痛じゃない。
だけど、それをなかなか周りの人に理解してもらえない。
この病気になった人にしか、分からない辛さ・怖さがあると思う。
でも、この病気が私に気づかせようとしてくれたこともあると思っていて。
「人がどう思うかは、私にはコントロールできない」ってこと。
周りからどう思われるんだろう?
周りに迷惑かけたらどうしよう?
って、常に私の心のベクトルは、他人に向いていたように思う。
でも、他人の気持ちや考えを、私はどう頑張っても変えられない。
良く思われないこともあるかもしれないし…
迷惑だな、一緒にいるの嫌だな。って思う人もいるかもしれないけど、
それはそれでいいんだよね!
相手の課題まで、自分が背負わなくていい!
自分にできることは、自分にベクトルを向けること。
自分の思考や気持ち、行動は、自分で変えられるから!!
私は、病気が教えようとしてくれていることってあると思う。
完治することは難しいみたいだけど、この病気と上手く付き合っていく方法を模索しながら、どんな自分にもOKを出せる自分でありたい。