8.7 花の日
花の色を見て驚いたことがある。
自然界にこんな色があるなんて不思議だと。
その色を携帯電話におさめたけれど、同じ色は再現できなかった。
帰り道の途中。
なんておかしなことに驚いてしまったのだろうと気づくと、僕は恥ずかしくなった。
色は元々自然界にあるものじゃないか、と。
いつの間にか、人間が創り出す色の方が鮮やかだと思い込んでいた。
色の全ては、この世界に存在するだろうに。
自然が色を分けてくれているのだというのに。
人間のことをえらく過大評価するのは危険だと、自分自身の小さな存在を一輪の花に再認識させてもらったのだった。
今日も、この彩り豊かな世界の中に住まわせてもらっている。