11.3 文化の日・まんがの日
休日っていいな。
だって、学校に行かなくても怒られないんだもの。
お年玉代わりにもらった図書カードを大事に使っているけれど、そろそろ残高が無くなりそうだ。
本当に欲しいマンガだけを吟味して、ぼくは我慢して買い集めている。
ぼくはマンガが大好きなので、休みの日はいつもマンガを描いて過ごす。
好きなことだけしていい日が一週間に二日もあるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう。
休みの日の朝は大体九時に起きて、犬の散歩に行く。
お母さんは住宅展示場でお仕事だから、大抵のお休みの日はいない。
犬の散歩さえしておけば、お母さんは文句は言わない。
用意されたご飯の他にこっそりカップ麺を食べていても見て見ぬふりをしてくれる。
休日っていいな。
好きなことだけしていい日が一週間に二日もあるなんて。
いつかぼくは手塚先生みたいな有名な漫画家になって、一週間のうち七日間を好きなことだけしていい日にしようと思う。
好きなマンガを好きなだけ買っていい権利もぼくがぼくに与えよう。
そしたらお母さんは仕事をやめて、好きなことをしたらいい。
犬の散歩はぼくがするけど、代わりにこっそりカップ麺を食べていても見逃してほしい。
でも、住宅展示場のお仕事がお母さんの好きなことだったらどうしよう。
いや。それでもいいか。だってその頃ぼくは毎日家にいるから、お母さんのお休みに合わせることができる。
ああ、休日っていいな。
夢と希望がいっぱいだ。
明日もなんだって出来る。
ああ、休日って、いいな。