『その着せ替え人形は恋をする』3話を見た
本当はリアタイしたかったのですが、土日がやや忙しかったので月曜日に。という訳で早速感想を書いていきます。前回と同じくストーリーのネタバレは極力無しで書いているので、まだ見てない方でも、これをきっかけに「着せ恋」を見始めて下さったら嬉しいな、なんて。
「着せ恋」の魅力
3話まで見て段々とはっきりしてきたこの作品の魅力、それはまさしく「わかりみの深いオタクヒロイン」ではないでしょうか。
創作物において、オタク趣味を持つ美少女キャラというものは多々存在する訳ですが、往々にして作者の「ぼくのかんがえたさいきょうのかのじょ」の投影だったり、作者があまりにもサブカルチャーを理解しておらず死に設定となっていたりと、共感出来るキャラクターというものは中々少なかったのです。
近年はいい感じに等身大のオタクキャラが増えてきていて、個人的には嬉しい限りなのですが、その中でも海夢は最高にわかりみが深い。コテコテのギャルではないリアルでも居そうなキャラでありながら、地に足ついたオタク要素も併せ持つ最高のヒロインだと思います。
エロゲ好きの女子高生はそもそもいないというツッコミは置いておいて(今後海夢の過去が明かされるかもしれませんし)、今回一番共感できた発言は、
「自分の好きなものを勧めても、なかなか手に取ってくれない。」
いやー、わかる。決して悪気がある訳ではないけど、おすすめしたアニメやマンガをちゃんと見てくれることってなかなか無いですよね。だからこそ、たまに「これ面白かったよ」、なんて言ってくれる友人がいると、無性に嬉しくなってしまう訳なんですが。
私達と同じ悩みを抱えるからこそ、感情移入せずにはいられない、そんな素敵なヒロインを描ける原作者さんへのリスペクトが止まりませんね!
背景作画が面白い
今回私が注目したもう一つのポイントは、背景作画です。前回もお話しした通り、私は背景が結構好きなんですが、今回の「着せ恋」では、写真をもとに作画された背景が多かったですね。
私はオタクを名乗りつつも、最近はなかなかアニメを見れておらず、偉そうなことを語れる人間ではないのですが、今回のこの手法は珍しいもののように感じました。
自然風景の場合は結構採用されているのを見たことはあるのですが、今回は自分の目についた限りだと、体育館・コスプレの布を買うシーン・ラグジュアリーショップ等々室内が多かったです。池袋の実際にある店を取材して描いてるらしいですね。制作側の強いこだわりが感じられる!
この手法、背景に対してキャラクターが浮いてしまって、自然な画を作るのがなかなか難しいと思うのですが、今回は光の描写やモブの配置などの工夫によって、違和感のない素敵なシーンに仕上がっていました。
今後もこの手法が用いられるのか気になりますね。また一つ、「着せ恋」を見る理由が増えてしまった(やったね)。
象徴的なシーン
私にとってこの「着せ恋」というアニメは、全体的に「エモいシーン」が沢山ある印象です。特に今回はラストの歩道橋のシーンなど、刺さるものが多かったのですが、やはり一番は「海夢が若菜くんを引っ張り出すシーン」ではないでしょうか。
このシーンは本当に完璧でした。初めて見た時は思わず声が上がってしまったぐらいです(二回目も声が出た)。このままだと早口オタクになりかねないので(既に手遅れ)、ここ好きポイントを順に上げていきたいと思います。
まずは構図。海夢が若菜くんの手をとって、日陰から日向に引っ張り出す訳なんですが、既にこれだけでもエモい!さらに、今までBGMはなく、風の音や葉の擦れる音なんかが聞こえていたところで、若菜くんの顔に陽が当たった瞬間流れ出すポップなBGM!タイミングが完璧すぎる!
そして、最後に誰もいなくなった日陰を移すのも天才すぎる。私はこのシーン、「仲間はずれ/一人ぼっちはもういない」という意味で取ったのですが、色々な解釈ができそうです。後ろの花に意味を見出すこともできそうです。
前後の会話も含めて、素晴らしいとしか言いようがないシーンですね。概して、この作品の序盤のテーマを象徴するシーンだったと思いました。単純にストーリーが面白い、キャラが好き、だけでなく、表現でも魅せてくれるビスクドールは最高だぁ!
まとめ
第3話、今回も素晴らしいエピソードでした。是非最後までこのクオリティで完走して欲しいですね。
もし「着せ恋」に興味が出た方がいらっしゃったら、その気持ちが消える前に、1話だけでも見てください!絶対に完走したくなりますよ(断言)。アマプラで全話無料配信中ですので、是非是非!
最後に、私の拙い感想文をここまで読んでくださりありがとうございました。もしよろしければ、コメント欄の方に文章の改善点等を指摘していただけると非常にありがたいです。よろしくお願いします。