芸人ドラマ
ドラマに、刑事ドラマ、医療ドラマ、法曹ドラマはよく見かけるし結構昔から有った。
最近流行っているのが、芸人ドラマ。『火花』や『陰日向に咲く』などの芸人が書いた小説はいずれも映像化され、最近は『だが情熱はある』のドラマは大ヒットしたと思う。おそらくもっと沢山有るだろう、芸人ドラマ。
その「口」になっているときに、演劇『実家の麦茶まずそう』スキンヘッド岡本作だった。
そもそも現役の漫才師が作るものだから笑いどころが沢山有る。本人やさっぽろ吉本の芸人とその芸を知っている人たちにわかる笑いどころが有るのもサービス(コンビGが時間をこぼしがち)が地元ならではでおもしろい。
刑事ドラマなどにしても、人物を描くため、挑戦したり頑張ったり挫折したり考えたりするための舞台として、刑事さんの世界を使っているのだろう。ほとんどの人の、正義や活躍や失敗や苦悩はあまり波の大きいものではないから、劇的な事件の起こりがちな世界が舞台となりがちなのだろう。
芸人さんの世界は、そこまで劇的じゃない。命に関わる様なことが少ない分だけは緩やかになると思う。反面、深く思考が進むように思う。
『実家の麦茶まずそう』では、ノンフィクション的に芸人像が描かれている。そもそも岡本さんは彼女もいるし持てなくないだろう!と「これはフィクションだ」と自分に確認しながら見ていた。
短歌での独白は、背景が見えただけに、短歌の奥行きとリズム感が良かった。短歌に走る(!)、不幸を詠むと言う姿勢にはちょっと疑問を感じていたが、完全に払拭された。
笑いながら見ていたのに、最後には岡本さんが愛おしくなり、目から暖かいものがこぼれ落ちそうになった。
もし可能なら、もし札幌に今日行けるなら、パトスに見に行って欲しい。
追記 初回だけかも知れないけど、女優さんの声がちょっと小さくて聞きづらかった。今日は大丈夫かもね