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SAYONARAおはよう落語

2020年春。
未曾有の事態に 社会は暗雲低迷し、
居宅を勧められ、
笑い声を上げることも ためらわれる状態だった。
上方落語家の仕事は、 多くがキャンセルとなり、
それまで一生懸命準備した 大きな落語会も、
中止せざるを得なくなった。

大阪の片隅で 二人の若手落語家が、
非日常の中の日常を 人々に提供しようと
立ち上がった。

パソコンも通信速度も パソコンスキルも、
ちょっとスペック不足は否めない。
そんなことはさておいて、
今始めなくてはいけない。
始めよう!!

2020.3.26 午前7時。
おはよう落語は、
東三国で配信を開始した。
リスナーも色々、
全国に散らばり、
突然テレワークを始めることになった人、
新しい仕事を探している最中の人、
その後長い学生生活をオンライン等で過ごす人、
休校により長すぎる春休みを過ごす親子、
家事、介護を行う人、
療養する人、回復する人、
笑う人、マスクを付けて寄席に通う人、
寄席通いを断念する人、
多くのリスナーが 写真を投稿した。

おいしそうな食事、奇妙な町の片隅。
全国各地の絶景、歴史を感じさせる建物。
多くのリスナーの 心の支えとなり、
日々の笑いとなり、
ついでに早起きの習慣となった。
配信者はたまに寝坊した。

その役目を終えた2023年3月26日。
山口百恵が舞台にマイクを置くが如く、
ももちが小指を立てて奈落に沈むが如く、
万感の想いを込めて
おはよう落語の赤い「ライブ配信を終了」が
クリックされる。

涙は流すまい。
さよならは言うまい。
これからも落語会、
寄席で ずっとずっと会えるから。
桂華紋さんにも、桂紋四郎さんにも。
全国のおは落ガーさんにも。

ありがとう、おはよう落語。 じゃ、また。


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