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【本の紹介】『世界最強の地政学』-VUCAと呼ばれる時代を冷静に生きるための入門書

どうも、こんにちは。kei_tenです。

本日は『世界最強の地政学』という本を紹介します。

著者は本場イギリスで地政学を学んだ戦略学者・奥山真司氏。

ゼロ年代のブログブームの時に『地政学を英国で学んだ』というブログで有名になり、その後ニコニコ動画やYouTubeで『アメリカ通信』というチャンネルで毎週配信をしています。

僕自身、学生時代に「地政学」という言葉を知り、その後奥山さんの著書やブログ、配信動画をずっと追い続けているファンのひとりです。

そのため、多少バイアスがあるかもしれませんが、ご了承ください。

■冷静になるための地政学

『世界最強の地政学』は結論から言うと、地政学の入門書です。

そして、地政学的視点を持つことで、日頃の国際ニュースを冷静に受け止められるようになる、というのがこの本を読む意義ではないかと思います。

戦略論のアプローチを援用した「古典地政学」のものの見方を、主に6つのエッセンスからなるべくわかりやすく紹介することに主眼をおいている。

『世界最強の地政学』より

と、本の冒頭に書かれているように、必ずしも地政学の全てを網羅するものではありませんが、「地政学的視点を持って物事を考えらるようになる」には十分かと思います。

なお、その「6つのエッセンス」が以下になります。

  • 世界観

  • シーパワーとランドパワー

  • ルートとチョークポイント

  • グランド・ストラテジー

  • バランス・オブ・パワー

  • コントロール

キーワードだけを見ると難解に映るかもしれませんが、例をもとに語られているので、日頃の国際ニュースに対する理解が深まり、必要以上に不安になったり、感情的になることが少なくなると思います。

政治に関することだけではありませんが、ぼくたちが不安になったり感情的になるのは、多かれ少なかれ「知らない」「理解できない」ことが一因となっています。

事実関係を知らなくても、特に他国の指導者たちの「物事の考え方」を知ることで、冷静さを獲得できるのではないでしょうか。

■戦国時代を楽しむように、現代社会も見つめる視点を

戦国時代の歴史物なら、戦闘や諜報などの悲惨な出来事もぼくたちは娯楽として鑑賞できます。

前にnoteで紹介した磯田道史さんの『徳川家康 弱者の戦略』もまたそのひとつですが、こちらも地政学の視点で書かれていることが印象的でした。

地政学的視点を知ることで、歴史物をより広い視点で楽しめるようになる。

これは僕自身も経験したことですので、『世界最強の地政学』を読むことでも、歴史がおもしろくなるという副産物を手に入れることができるはずです。

■地政学は学問ではない

また、ひとつ理解しておきたいのは「地政学は学問ではない」ということです。

地政学を私なりに簡単に定義しますと、
「地理をベースとした国際政治、外交政策についてのものの見方、考え方」
ということになります。

『世界最強の地政学』より

本書でもこう書かれていますが、ぼくたちはどうしても学問に対して権威性・信頼性を抱いてしまう傾向にあります。

その一方で、「必ずしも学問以外に価値がないわけではない」という考えも身につけておきたいところ。

特にビジネスの現場では、学術的ではないエッセンスも必要になります。

奥山さんの別の著書で『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』というものがあり、僕自身この本に多大な影響を受けました。(「武器捨て本」と呼ばれています)

いわゆるビジネス・自己啓発のジャンルになりますが、地政学・戦略論の観点から「人生戦略を考える」というもので、応用すると企業ブランディングやプロダクト開発にも役立てることができました。

今回の『世界最強の地政学』を楽しく読めたのなら、ぜひ『武器捨て本』も読んでいただきたいですね。

■不安定な時代をどう生きるか

現代社会は「VUCA」という言葉があるように、とても不安定な時代になっています。

VUCAという言葉は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つの言葉の頭文字をとった造語です

野村総合研究所より

この言葉も、ある意味で地政学的視点から生まれたものと見ることができるでしょう。

不安定な時代だから地政学が話題になる、ということは本書でも書かれていましたが、やはり必要以上に感情的にならないためにも、入門書を読んでおくことをおすすめしたいです。

今回は少し硬い印象になったかもしれませんが、未来に明るい展望を持つための一冊になるとぼくは思っています。

また、本を読むのにハードルを感じる方は、下記のYouTube動画でもわかりやすく解説されていたので、おすすめです。

では、また!kei_tenでした。

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