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【音楽】藤井風の『Feelin' Good』に見る、“生”を楽しむ2020年代の潮流

どうも、こんにちは。kei_tenです。

本日は藤井風さんの日産スタジアムで行われたコンサートが「生配信」「撮影OK」となっていた件についてコメントします。

この話題は、熱烈な藤井風ファンである義母からレクチャーがあったこと、そして徳力基彦さんがnoteに取り上げていたことから興味を持った次第です。

■「YouTube発世界へ」という背景がライブに自由度を与えてくれた

かねてからライブで撮影をしたいという需要は、かなり高かったと思います。

何よりも思い出として残したいという想いですよね。記録のようなもの。
そして問題になりやすい、違法アップロードをしていた人も必ずしも悪意だけでなく、ファンの一人として広めたい気持ちを持っていた人もいたはずです。

日本は著作権や肖像権でかなり世界から出遅れているという話がありますが、そこを切り崩したのが藤井風だったというのが今回の出来事だったというわけです。

彼は元々YouTuberとして10代の頃から活動しており、満を持してレコード会社と契約してデビューしたという経緯があるようです。
岡山の片田舎に暮らし、自宅からの配信で世界にファンをつくったタイプで、わざわざレコード会社と契約する必要性もなければ、商業的成功もそこまで関心がない部類のミュージシャンと言えます。

(ここまでは義母のレクチャーをもとにしたお話)

だからこそ、ファンとの距離感はとても気を遣っているようです。
今回の日産スタジアムのライブも、オープニングからの登場は「ファンと同じ観客席」から、という演出にその片鱗を伺えました。

事務所やレコード会社が彼をコントロールしようと思っても、彼の向こうにいる世界中のファンたちの顔色を窺わなくてはいけない。

そういうコミュニティ性が、今の音楽業界に浸透しつつあるのではないでしょうか。

日本を代表するミュージシャンの中でも、 実際のライブや音楽配信や販売による収益よりも、YouTubeによる収益の方が大きい人もいるはずです。

そうなれば、今後ライブはどんどん「ファンとの交流」というカラーが濃くなる可能性がありますし、YouTubeにはできないことの付加価値を高めていくアイデアも必要になりそうですね。

■撮影OKはすでに広まりつつある

ちなみに「撮影OK」の流れは、インスタやXなどのSNSの効果も大きく、すでに美術館でもかなり解禁されるようになっています。

(僕自身も、前に投稿した美術館紹介でパシャパシャ撮らせていただきました)

冒頭でお伝えしたように、シェアしてくれるファンがいれば認知が広がり、広告宣伝費の節約にもなりますし、それ以上に自社や代理店に任せるよりも広告効果として大きくなることでしょう。

いわゆる「切り抜き」が流行って、SNSのトレンドがフロー型に先鋭化していますが、ファンのシェアリングがとても相性がいいですね。

■映画は“場を楽しむ”ものとして再公開に需要が

未だ撮影が禁止で、これからも解禁が難しそうなのは「映画」ですが、こちらは“生”を楽しむのではなく、“場”を楽しむイベントとして価値を持ち始めています。

ワンピースやスラムダンクの映画が、Netflixやプライムビデオで配信された後に再びロードショーになり、ぼっち・ざ・ろっく!も総集編が劇場公開されたりと、あの「大きなスクリーンでもう一度観たい」という需要に応える動きが近年強まっています。

この辺りはアフター・コロナの新しい環境によって、より需要が高まっていることが要因でしょう。

僕自身も映画好きですが、劇場で観る醍醐味ってのが大事なんですよね。
もちろん、作品のタイプにはよりますが大画面・大音量・高品質で観たい映画というのが一定数存在するので、ネット配信サービスで観ていても改めて劇場で観てみたいと思うんです。

これこそが「体験」つまり“場を楽しむ”ということなんですね。

この件は徳力さんがvoicyで映画館ビジネスの復活の話として詳しく取り上げているので、ぜひ聞いてみてください。

■混沌とした時代のポジティブな要素に目を向けよう

2016年以降、世の中では「分断」が叫ばれ始め、コロナを経験し、その後も各地で戦争が起きたりと、2020年代は今のところあまり明るいニュースが少ないです。

2010年代に一世を風靡したSNSも、2020年代に入ってネガティブな側面がクローズアップされるようになっています。

しかし、光と影は常にセットで存在しているように、ポジティブな副産物が生まれている点に目を向けておきたいところ。

今回取り上げた新しいライブの楽しみ方も、業界によっては苦労することもあると思いますが、ソーシャルの力でポジティブ・イノベーションが起きているってのは、とても明るい希望だと思っています。

ではまた!kei_tenでした。

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